グローバル化社会・Society 5.0・VUCAの時代(Volatility 変動性, Uncertainty 不確実性, Complexity 複雑性, Ambiguity 曖昧性)に求められる資質能力は多種多様です。社会や時代の変化に児童生徒が置き去りにされないように、教育を開発・拡充することは今の時代精神と言えましょう。しかし、この時流のなかにあってこそ、教育という営みが見失ってはいけないものがあります。それは、教育はどのような時代が到来しても、いかなる環境のなかにあっても、学び続ける人間を育てるという普遍的な信条です。この「学び続ける人間」が持っているパワーのことをかつての哲学者スピノザはコナトゥス(自己保存の力)と呼びました。教育は時代への処方箋であること以上に、コナトゥスの増大によって資質能力を凌駕する人格の形成を第一義としているのです。
本校は、60年近くの永きにわたって、穏やかな校風と自主自律の伝統のもと、自由な発想と創造性をもって未来を切り拓くことのできる生徒を育成し続け、優秀な人材を社会に輩出してきました。この営為を支えてきたものは、教員養成大学の附属校としての先進的な研究成果に基づく確かな学力観と、豊かな人間性を育む教育活動にほかなりません。
本校では、研究に裏付けられた授業実践を行うため教員それぞれが創意工夫を凝らし、生徒たちの知的好奇心を刺激し続けています。そして、「京教リベラルアーツアクティビティ」に代表される自由な発想と幅広い知識・教養による探究的な教育活動、大学との連携による進路開拓の羅針盤、さらに自主自律で創り上げるさまざまな行事などが生徒一人ひとりのコナトゥスを涵養しているのです。コナトゥスは教育的価値を創発し、長い人生における意味生成の始源となりゆくのです。