![]() |
![]() |
全体会場 | 分科会場一覧 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
場内の様子(研究成果報告等を行いました。) |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
SSH交流会に参加して 2年1組 Sくん 3月24日から26日、私はSSH交流会に筑波研究学園都市へ参加してきました。とにかく参加できてよかったなと思いました。自然科学コースではなかなか体験できないことをたくさんすることができますが、この3日間はその中でも心に残るものになったと思います。正直なところ、最初は参加することに不安がありました。もともと知っている学校のメンバーは私を含めても4人しかいず、しかも、研修は別々なので会うことができなかったからです。どんな人と一緒にグループ活動をするのかも現地に行くまではわかりませんでした。課題も十分に理解できるか不安がありました。しかし、それは杞憂でした。友達については新幹線で一緒になった立命館高校の人とすぐに話せたので、そんなに心配する必要はないとすぐに思えたし、課題も先生方がとても親切でまったく理解できないというようなこともありませんでした。今回の交流会では8つのテーマに分かれてそれぞれ各施設に行って学習をしてきました。私が行ったところは産業技術総合研究所(産総研、AIST)です。産総研ではライフサイエンス・情報通信・ナノテク・環境・地質・海洋など、さまざまな分野の研究がされています。今回私はその中の地質分野にあたるつくばセンター内にある地質標本館に行き、地球観の変遷について学んできました。地球観の変遷といっても何を学んだかわからないと思うので、後でもう少し詳しく話したいと思います。研修は24日と25日の2日間行われました。1日目は標本館内のさまざまな展示物を見て回りました。標本館では地学全般と地球の歴史・メカニズム、人間との関わりについてわかりやすく展示してあります。またそれとは別に、さまざまな地質標本や岩石・化石などが展示されています。2日目は標本間の方や地球科学情報研究部門の研究員の方が講義をしてくださいました。5人の先生方が順番に行うので長時間になりましたが、どれも興味深く、眠くなるということはまったくありませんでした。産総研に行ったグループは実験がなくて少し残念でしたが、それ以上に先生方が丁寧で、たくさんモデルも置いてあるのであまり気になりませんでした。さて、地球観の変遷とはどのようなことでしょうか。現在、地球はほぼ球形であるということはたいていの人が知っているし、日本はどんな形かと言われれば図として書けなくても大体の正確な形は思い浮かぶはずです。でも、昔はそうではなかったのです。つまり、地球は平らだ(球が平らというのは変な表現である気もしますが)と思われていた時代もありました。2500年前のギリシアの地図では地中海ほどしか今の私たちがわかるようには描かれていませんでした。しかし、現在はそんなことはありません。どうやって人間の地球観が進歩してきたのか、それを中心に学びました。もちろん、地球観はそれだけを学んだのではありません。どうして大陸は今のような分布をしているのか、地球の磁気はどうなっているのか、地震や火山はどう分布し、何が原因で起こるのかを学びました。そして、この中で私たちはプレートテクトニクス理論というものを学びました。現在地球の仕組みを説明する上で非常に便利な考え方です。簡単に言うならば、地球は十何枚かのプレートに覆われていて、それが比重の差で沈み込む、あるいはマントルの移動でプレートが動かされているという考え方です。しかし、これはあくまで地球を説明するために作られた1つの考え方に過ぎません。先生方も、プレートテクトニクス理論があるから地震などが起こるということは絶対に言いませんでした。地球はまだわかっていないことはたくさんあります。宇宙に行った人はいても地球の中心に行った人はいないのです。現に、この理論では説明が難しいこともあるそうです。2日目の午後からはその次に発表する準備をしました。産総研に行ったグループでは地球上で起こっているある現象を説明するという課題でした。そして3日目は実際に発表がありました。メンバーすごく積極的で、すごくやりやすかったです。そのほかにもさまざまなことがありました。3日目の午後には宇宙飛行士の土井隆雄さんの話が聞けました。この話も印象的でしたが、やはり他校の人とふれあえたことが大きな思い出になりました。常識と思っていたことがそうでもなかったり、ある人のすごさに感心させられたり・・・・・・。他校生とのふれあいは普段はめったにありません。グループ活動以外にも、休憩中にいろいろな話やゲームができ、友達にもなれたと思います。すごく勉強になったし、刺激もたくさん受けました。そして、本当に楽しい3日間でした。 |
1年1組 I くん 2004年3月某日。私は同じクラスの女子と共に研究部長の教官に呼び出された。図書室の奥の研究部に行くこと、茨城県つくば市で行われるSSHの交流会に附属高校の代表として行かないかという話だった。もちろんそれは願ってもないことだったので、「行きます!」と即答した。私たちはどの研究機関に行くかを決めなければならなかった。というのは、筑波では全国52校のSSHから4人ずつの代表、合計208人が集まり、同じ学校の生徒が重ならないように8つの研究機関に分かれなければならないからだ。8つの研究機関というのは、略称で「物質・材料研」「防災科学技術研」「宇宙航空研」「高エネルギー加速器研」「国立科学博物館」「産業技術研」「建築研」「気象研」である。小さいころの夢と最新のハイテク機器に触れられそうと言う理由で、私は「宇宙航空研」、正式名称「宇宙航空研究開発機構(以後JAXA)」を選んだ。しかし、数日後、JAXAだけ他の研究機関と違い宿題が出た。「簡易落下装置を使って微少重力を使った実験をするので、どのようなものを観察すれば微少重力環境について理解しやすく、また説明しやすいかを考えてくること」という内容であった。1週間かかってこの宿題を考えたが、結局適当な答えを出せないまま、向こうに行くことになってしまった。3月24日。新幹線とバスを使い、5時間かけてつくば国際会議場に着いた。大会議場に入ると、まだ数校しか来ていなかった。しかし、ものの5分もする次々と全国からの代表が集まりだし、あっという間に大会議場は研究意欲に燃えた高校生でいっぱいになった。開会式が始まり、主催者や各研究機関の代表者らの挨拶があった。式の後、各チームに1台ずつノート型パソコン・携帯電話・デジタルカメラ・USBメモリが配られ、さっそく各研究機関に分かれての活動に移った。JAXAのグループの1日目は主に見学であった。JAXAと言うとあまり耳慣れないかも知れないが、言うならば「日本のNASA」である。2003年10月に、「宇宙科学研究所」「航空宇宙技術研究所」「宇宙開発事業団」の合併により設立され、H-UAロケットや人工衛星、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」を作っている。まず、私たちはH2Aロケットのエンジンや気象衛星ひまわりの同型モデルなどを見た。ロケットのエンジンというのは凄まじい力を持っていて、東京−大阪間を1分で飛ぶことができるそうだ。次に別の建物に移動して、分厚い宇宙服や宇宙酔いの研究に使う回転する椅子などを見た。この建物には無重力状態での作業をシミュレーションするための直径16m深さ11m水2200tが入る巨大プールがありプールサイドを見学した。ほか、様々な施設を見学したのだが、最後に見たのが国際宇宙ステーション・日本実験棟「きぼう」であった。残念ながら船内実験室部分はすでにアメリカに運ばれてしまった後だったが、実験用の同型や、ロボットアーム、船外実験プラットホーム、船外パレットなどは見ることができた。ここで簡単に微少重力と今回の実験の概要について説明する。微少重力というのは一般的に言われる無重力のことである。なぜ微少かというと宇宙空間でも多少なり地球の引力(すなわち重力)を受けているからである。宇宙に行きさえすればふわふわ浮くことができると思っている人もいるかも知れないが、実際はそんなことは起こらない。なぜなら人工衛星やスペースシャトルが地球を周回している高さでは地上の90%もの重力がかかっているからだ。つまり、何もしなければただ下に落ちてしまうのだ。だからスペースシャトルなどは水平方向に秒速8kmで飛ぶことによって高さを維持している。すなわち、斜め下に落ち続けているのである。そうして初めて、ふわふわ浮くことができる微少重力になるのである。この「落ち続ける」という現象は地上でも瞬間的になら可能で、単に物体を自由落下させればよい。詳しいことは物理的な知識がいるので割愛するが、約5mの高さがあれば1秒間微少重力状態をつくることができる。今回は無線のCCDカメラも一緒に落下させることによってスローモーションで微少重力下での物体の状態を観察した。2日目。私たちは話し合った末、プリンを落下させることにした。なぜプリンかというと、普通にあるプリンはお皿に空けると重力で少しつぶれていることに気づき、無重力になれば元に戻ろうとするのではないかと考えたからだ。さらに今回の課題には「小・中学生に説明する」ということも含まれており、できるだけ身近なものでとプリンを選んだ。実験するとほんの一瞬ではあるが予想どおりの結果が得られた。ただ落下させるだけであっても顕著に微少重力の影響は見られたのである。そのほか反発しあっている状態の磁石やろうそくの炎なども同様に実験し、期待通りの結果が得られた。この日大変だったのは実験・研究結果を翌日までにプレゼンテーションにまとめなければならなかったことだ。どこのチームも徹夜で討議をくり返しパソコンにまとめていた。私のチームも例に漏れず、寝られたのは6時から1時間程度だった。しかし、この過酷さがチーム内の一体感や達成感につながり、短い間でもチームの7人とは親友になることができた。この交流会の意義として大きく三つのことがあると思う。一つ目は、最先端の研究を見て、実際に体験することができることである。研究者の取り組みを見ることによって、研究者としての姿勢や着眼点など学べたことは多くあったと思う。何より一般人として行ったのでは見ることができないようなものや施設を見ることができたので非常によい経験になった。例えば、無重力疑似実験用の巨大プールなど、普通は絶対に入れてくれない。SSH交流会だからこそ見せていただけたのだ。毛利宇宙飛行士が宇宙に持って行って使った実験道具なども、普段はケースに入れられているのだが、実際にさわることができた。二つ目は、思考方法についてである。「なにを落とせばよいか」という宿題は、かなり難しい課題だと思う。しかし、それを一週間かけて考えることでなにか断片的な答えを得ることができる。それらをチームのメンバーと討議して掛け合わせることで新しい自分たちの答えを見出すことができた。これは、普段学校で行う実験とは違った思考の仕方で、クリエイティブな発想は、このような討議からも生まれてくることを実感した。これは先に述べた研究者としての着眼点などともつながると思う。三つ目は、全国にたくさんの友だちをつくることができたことである。実はこれが一番大きな成果である。チームのメンバーだけに限っても、北から北海道、秋田、静岡、大阪、広島、香川、高知と全国にわたる。さらに、バスや食事、風呂などでも初めてあったとは思えないような一体感や親近感があった。もちろん相手もSSHの生徒なので、将来同じフィールドに立つ可能性が高く、進路の話や普段の勉強の話しをしていたときも非常に良い刺激になった。彼らとは1ヶ月経った今でもメールを交わしているし、大阪の人にいたっては文化祭で行くことになっていたりもする。 今回、交流会を通じて分かったことだが、京教大附属高校の自然科学コースは他のSSH指定校に比べて、かなり進んだ取り組みを行っている。大抵は、1年間で2〜3回講演を聞いたとか、部活としてSSHに指定されているとか、希望者のみであるなど限られた範囲でしか行われていない。しかし附属高校は必修単位として応用数学などの発展的内容を盛り込んでいる。こんな取り組みをしているのは全国のSSHでもまれである。しかも、フラクタル数学などはまったく無意味なものではなく、30年後の教科書には載るような最先端の数学である。確かに、大学受験には必要ないかもしれないし、将来にわたっても関わらない人もいると思う。でも、高校生という柔軟な脳を持った時期に、多角的な視野を身につけられるということは非常に重要だと思った。 |
1年1組 Wさん 2004年3月24日〜26日、SSH生徒交流会に参加しました。この交流会は、全国のSSH指定校52校から208名が筑波研究学園都市に集まり、8つの研究機関に分かれて研修を行うというもので、最終日にはそれぞれの成果を発表し合うプレゼンテーションが行われました。8つの研究機関は、物質・材料研究機構、防災科学技術研究所、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター、国立科学博物館、産業技術総合研究所、建築研究所(以上独立行政法人)、文科省高エネルギー加速器研究機構、国土交通省気象研究所です。私が所属したのは、建築研究所です。建築研究所は、「建築・住宅・都市」のあり方を追求し、科学技術を用いて実現するための研究・開発を行っている独立行政法人です。建築研究所には7つの研究グループと1つの研究センターがあり、私が研修を行ったのは材料研究グループです。そこでは主に、建築材料、部材の基礎物性に係る評価・研究のほか、建築物の維持保全・改修、新素材・複合研究などに関する研究が行われています。今回、「コンクリートの強さを推定しよう」というテーマで研究を行いました。目的は、コンクリートを破壊せずにその強度を推定する方法を検討することです。ここでいう強度とは圧縮に対する強さのことです。コンクリートは圧縮方向の力には強く、引張方向の力には弱いという性質があります。この弱点を補うために、圧縮に弱く引張に強い鉄を内部に入れると、両方の力に耐えうることになります。これが鉄筋コンクリートです。コンクリートの強度を調べる方法には、破壊試験と非破壊試験があります。破壊試験とは、コンクリートの一部を抜き取って圧縮装置にかけて実際に強度を測定する「圧縮強度試験」のことです。非破壊試験には、コンクリート表面の反発度を測定して強度を推定する「反発度試験」と、コンクリートの中を超音波が通過する速度を測定して強度を推定する「超音波試験」があり、いずれもコンクリートを破壊せずに行うことができます。実験ではまず始めに、強度の異なるコンクリートの壁3体を用いて、それぞれの超音波通過速度(音速)・表面の反発度・実際の強度を測定しました。そして、反発度と実際の強度との関係、音速と実際の強度との関係を調べました。すると、「反発度が大きいほど強度も大きい」「音速が早いほど強度も大きい」という関係が得られました。この関係を式で表し、反発度・音速のデータだけから強度を推定できるようにしました。次にこの式(推定式)を用いて、新しい試験体のコンクリートの強度を推定してみました。このコンクリートはあらかじめ研究所により強度が判明していますが、私たちには知らされておらず、推定式だけを頼りに推定した強度がどれだけ実際の強度に近いかを調べました。この結果、推定値と実際の強度の間には多少の誤差が生じていました。誤差の原因は、反発度・音速の測定には手作業によるところが多かったことなどが考えられます。実験全体を通してわかったことは、コンクリートの強度を調べる方法としては非破壊試験が実用的だということです。破壊試験は強度を「測定」できますが、コンクリートの一部を抜き取るという作業にたくさんの時間と費用がかかるうえに、コンクリートの建物から一部を抜き取ると見た目も汚くなってしまうという欠点があります。コンクリートの強度を調べるために建物自身を壊していては意味がないと思います。非破壊試験は強度の「推定」しかできないとはいえ、建物をほとんど傷つけることなく試験が行えるという最大の長所があります。現在は、非破壊試験の精度をあげ、実際の強度により近い値が出せるように研究が進められています。私は、建築といえば建物全体のデザインや構造のことばかりを連想していました。しかし、今回の研修を通して、建物の基礎となるコンクリートや木材などの建築材料の研究も非常に大切なものだとわかりました。生まれてこの方コンクリートについて考えたことは一度もなかったので、コンクリートの強度にはピンからキリまであるということを知り、大変驚きました。普段当たり前ように接している家などの建物についてじっくり考えるいい機会になったと思います。3日間という短い期間でしたが、交流会で得られたものはたくさんあったと思います。自然科学コースで1年間さまざまな講演・実験などを体験してきましたが、他のSSH指定校と交流する機会はありませんでした。この交流会は全国のSSHの活動の様子を知り、情報を交換することができる初めての機会でした。また、同じSSHの高校生たちの目標や将来の夢なども聞くことができ、進路を真剣に考え始めるきっかけになりました。もちろん、SSHの生徒としての交流だけでなく、つくばでできたたくさんの友達との個人的な付き合いも長く続くと思います。そして、この3日間で1番学んだことは、未知のものに対する研究の姿勢です。最先端の研究をしている科学者の姿を見て、わからないことを根気強く考え、自分なりの答えを出すということの大切さを感じました。私がこれから学んでいくうえで、この経験はきっと生きてくると思います。 |
2年1組 Fさん 今回のSSH交流会に行く人に選ばれたとき、なんで私が?という疑問ばかり浮かんでいました。しかし、学校生活を楽しんで頑張ってきたことへのご褒美みたいなものかなぁ、という軽い気持ちでしたが、選ばれたことに関しては本当に嬉しかったです。実際に筑波に行く日が近づくにつれ、期待と不安が半々という日々を過ごしていたのを覚えています。私は独立行政法人防災科学技術研究所という機関で、溶岩流の研究に参加しました。この研究分野を選択したのは、単に他の分野に興味がなかったからでした。逆に言うと、自分の希望進路である医歯薬の研究機構の参加がなかったため、まぁ興味のある防災を・・・といった本当に軽い気持ちからでした。しかし実際に参加して、講演を聞いて、防災研の先生方と実際にお話をして、その防災という分野がどれだけ私たちの生活に関係あるか、そこで研究されていることがどれだけの人の命を助けたか、ということがわかり、今は進路変更?という考えが出てくるようにまでになりました。筑波で体験したことは、私の人生にかなりの影響が出てくるだろうと思います。まだ、悩んでいる最中ですが・・・また、SSH交流会の第2の目的は全国の高校生の交友関係を広げることにあったようで、最初のオリエンテーションでも『ここで出会った友達に、将来どこで出会うか分からない。どんどん友達を作りましょう。』という話がありました。行きの新幹線では立命館の人にこちらから話しかけて、最終的には4人+4人の計8人で東京駅に着くまでの時間をずっとトランプをして過ごしました。そこでは学校の話や修学旅行の話で盛り上がり、楽しい時間を過ごすことが出来ました。筑波での私のチームは6人で、北から山形、栃木、京都、岡山、広島、長崎という本当に様々な地域から参加したメンバーたちでした。初日は、やはりみんな緊張気味でしたが、2日目の実験などの打ち合わせなどの話し合いをしているうちにどんどん打ち解けていきました。夕食のときのチーム紹介では、笑いをとることもでき、学校の友達とはまた違った仲のよさをチーム内で作り上げることが出来たと思います。2日目の実験考察の様子を少し書くと、午前中に実験で使う材料を調達し、昼から実験という段取りでした。私の実験分野で必要とされたものは、山のミニチュアを作るための粘土やダンボール、発泡スチロール、また、どろどろの溶岩に似せるための液体各種、半分固まった溶岩に似せるためのビーズなど・・・それらを使って、様々な形の山々で火山が噴火したとき、どのような溶岩(粘性や温度、流れの勢い、また不純物の量が異なるもの)がどの様な道を通って流れ、その流れはどのように周辺地域に広がっていくのか、ということを実験考察しました。その実験で分かったことを簡単に言うと、溶岩の流れは温度によって粘性が変化し、温度が低いと幅が細くなり、流れる速度は遅くなります。そのため、溶岩は幾本もの道を形成し徐々に固まりながら流れます。その逆に、温度が高いと幅が広がり、流れる速度は速くなります。そのために一気にどっと流れ、周辺地域の住民の避難する時間は少ししかなく、被害も大きくなります。この実験結果から、どの様な対処をすれば被害がごく少数に縮小できるのか考えていくことが可能です。このことから、このような研究が私たちの生活にどれだけ貢献しているのか、分かっていただけると思います。防災研では火山のほか、地震、液状化現象、土砂災害など様々な災害を研究し、どの様な対応をすればよいか、また、過去の災害を研究し将来どの様な災害が起こりそうか、ということを日々研究しておられます。私は、今まで医師または消防士のような人々が私たちの命を助けてくれている、という考えしか持っていませんでしたが、防災研のように地球やその環境を研究することで、私たちの命を守ってくれている人たちがいるということを改めて実感し、感動さえ覚えました。いくら文明が発達しても、地球やその地球のある宇宙のことはほんの微量のことしか理解できずにいるし、災害などの脅威にはいまだ太刀打ちできない状況です。そのことを考えると、どれだけ私たちの生きている地球について知る、ということが大切な学問であるということが分かります。2日目の夜から3日目の朝まで、私たちの滞在していたホテルは活気づいていました。3日目のプレゼンの準備をするためです。私のチームは山の製作に時間をかけすぎたため思う量の実験を出来ずにいましたので、みんなで夜なべ覚悟!!と意気込んでいました。しかし実際は、パワーポイントを製作する人と3日目の公開実験の準備をする人とに別れて進めると効率良くできたのか、他の班よりも早く終わってしまいました。そのとき優に12時を超えていましたが、活気づいていた私たちはそのまま打ち上げ状態となり、周りはまだ真剣に考えているのに、昼間に実験に使おうと思っていたコーラを飲みつつ喋っていましたが、その場の雰囲気に負け部屋に移動しトランプ大会と化しました。他のチームの子も混ざってきて、その状態が4時半ごろまで続き、1時間ほど進路のことなどの話をして、5時半から露天風呂に・・・という何しに筑波へいったんだぁ〜と言われてもおかしくない時間を過ごしました。でも、これが一番楽しかったです。3日目のプレゼンは代表に選ばれはしませんでしたが、もっとも聞き手を意識した参加型の楽しいプレゼンであったと自負しています。午後からは国際会議場での他のグループの代表発表を聞き、やはり全国にはいろいろな高校生がいるなぁと改めて感じ、刺激の多いにある時間であったと思います。最後の最後まで、本当に楽しい交流会でした。防災研の藤田英輔先生には交流会が終わってからもアドバイスなどをしていただいています。全国に散らばっていった友達ともメールで交流を続けています。SSH交流会で出会った友人と共に、大学入学後また防災研の施設に訪れる予定を立てており、その日を楽しみに受験を乗り切って行きたいと思 います。私にこのようなチャンスを与えてくださって本当にありがとうございました。 |