本校の数学クラブのメンバーが、9番の解き方についてパワーポイントを使い、1年生全員の前で発表しました。以下に、その発表原稿とパワーポイント画像添付という形で掲載します。

 

    発表原稿

これから数学クラブの発表を始めます。

今回、2011年度の日本数学オリンピック予選には一年生が6人、二年生が8人参加しました。出題数は全部で十二問。予選の合格ラインは簡単な時で7か8題。難しい時では5題が目安です。僕たちはこの予選を110日の成人の日に洛北高校で受けてきました。今日は、その問題の中で問9を解説していきたいと思います。

問題文は、赤い玉、青い玉、黄色い玉を合わせて12個 を横一列に並べるとき、以下の条件を満たす 並べ方は何通りあるか。ただし、並べる玉の色が2種類以下の場合も考えるものとする。条件どの玉に対しても、その玉と同じ色でその玉に隣接するような玉が存在する。』です。わからない人もいると思います。

図で表すと、上のような場合は赤玉が3個連続、青い玉が2個連続して並んでいるので問題の条件を満たしていますが、下の場合は青玉の間に赤玉が入って、連続していないので条件に合わないとなります。では、問題の解説に入ります。(パワーポイント@)

考え方の第一歩として、僕たちはこれらの連続する玉を一つのグループとして12個の玉をいくつかのグループに分け ることができるかで場合わけすることにしました。今出ている図はその例です。玉の個数が12個なので、最小は単一のグループの場合。最大は12÷2で6つ のグループとなります。玉を二個のグループに分ける場合は数が少ないので数えることが出来ますが、それでは数が多くなった場合に対処出来ないので数学的に ときたいと思います。(パワーポイントA)

玉を二個のグループに分けるために、まずグループの数だけ玉を先に抜いておきます。今回は、左から赤、青と並ぶようにとりました。では、その残りの10個の分け方です。残り10個を二つのグループに分けるには、数Aでと いたことがあるように、10個の玉の間に1つの仕切りを入れたらいいので、たとえば、2つ目と3つ目の間に仕切りを入れるとこの様に分けることができま す。(パワーポイントB)そして、色ごとにはじめに分けておいたそれぞれに連結すると、このようになります。(パワーポイントC)10個の玉の分け方は 10−1の9か所の間に1個の仕切りを加えるので9C1となり、9通りになります。下に出ているのはその9通りです。(パワーポイントD)

玉が3個の場合でも同じ考え方でできます。今回は左から順番に赤、青、黄の玉を並べるとします。残る玉9個の並べ方は先ほどと同じように8か所の隙間に、今回は3つのグループに分けるので2つの仕切りを入れたいと思います。たとえば、3個ずつに区切るように入れるとこの様になり(パワーポイントE)、初めに取っておいた玉と連結するとこのような12個の並び方ができます。(パワーポイントF)

もうわかった人もいるではないでしょうか。4つのグループに分ける場合は7個の玉の間に3つの仕切りなので7C3。5つに分ける場合は6個の玉の間に4つの仕切りなので6C4。6つに分ける場合は5個の玉の間に5つの仕切りなので5C5となります。(パワーポイントG)

次に玉の色についてです。例を2−6−4の三つのグループに分けるときとします。はじめはどの色を選んでもいいの で3色の中から1色決めます。次の玉のグループには初めと異なる色を入れるとよいので、次のグループに入る色は初めの色を除いた2色。その次に入るのも同 じく2つ目のグループの色を除いた2色となります。よって3×2×2となって色の組み合わせは12通りとなります。これも、既にわかった人がいると思いま す。

玉の色の組み合わせは、最初は3通りでそれに2通り を玉のグループ毎に1回かけると求めることができます。(パワーポイントI)それでは、先ほど出した場合わけで求めた玉のグループの分け方と今出した玉の 色の組み合わせをかけていきたいと思います。式は今出ているようになって、それぞれの答えはこちらになります。(パワーポイントJ)答えはこれを合計した らいいので、2049通りとなります。(パワーポイントK)

この様に、数学オリンピックは高校1年の知識でも解くことができる問題も出題されているので、是非来年は参加したらどうでしょうか。

 

    パワーポイント

 @              A              B

 

 

 

 

 

 

 

 

 C              D              E

 

 

 

 

 

 

 

 

 F              G              H

 

 

 

 

 

 

 

 

 I              J              K