京都教育大学附属高等学校 SSH行事

2005年5月10日(火)6・7限 2年生SSHクラス 「エネルギー科学T」
    特別授業「宇宙時代に生きる −物理学は私たちに何を教えているか−」

昨年度まで本学の学長であり,現在京都教育大学名誉教授の村田隆紀氏による特別授業を実施しました。

   

・カーナビやGPSなど,宇宙が身近になってきた現代は,宇宙時代といえる。その意味を考えながらの授業でした。
・宇宙の過酷な環境(放射線・真空と極端な高温や低温・無重量状態)から人体を保護するために,さまざまなことを準備しています。
・宇宙の「真空」とはどれくらい真空なのか? それは宇宙では1cm3あたり1個の分子しかないくらいの真空。
・しかし実験室で作れる最高の「真空」は,1cm3あたり3万個もの空気分子を含んでいる。
・人工衛星内では重力は受けるが,重量は無になる。つまり無重量状態(無重力状態ではない)となるのです。
・その無重量状態においてさまざまな実験をビデオで見ました。
・このような無重量のもとでの実験を見ると,我々のいる地球という重さのある世界で受けている恵みも理解できるようになります。
・宇宙時代に生きる意味=当たり前と思っていることは,広い宇宙の中でこの限られた地球上のみにあること。この環境を保つことの大切さは,宇宙から地球を見る時代になってきちんと考えられるようになったのです。
・「人類が地球に住めなくなったときに,宇宙へ移住することに備えるために宇宙開発をするのだ」という考えはどう思いますか? そんなことより「未知の世界の探究」という目的で十分だと思います。この地球にいつまでも住めるようにいろいろなことを考える方が大切だと思いませんか?
・これから将来,研究者や技術者になろうとする皆さんにとって大切なことは,調べようとするものが自分にとっておもしろいと感じることです。


  生徒の感想より
・宇宙には興味があったので,とても印象深かったです。
・宇宙のことを知ることが,地球の環境を考えることにつながることが良くわかりました。
・ビデオ中の実験が分かりやすくておもしろかった。