多読の効果を検証する
京都教育大学附属高等学校 英語科
島 緑 橋本 雅文 高田 哲朗
磯部 達彦 境 倫代 築山 徹
1.はじめに
日本人の話す英語が, 長年の学習にもかかわらず, いかにお粗末なものであるかは, さまざまなところで話題になり, 日本の英語教育は多くの非難を浴びてきた。そして, その英語下手の原因は「読み書き」ばかりに重点を置く学校教育にあると批判されてきた。しかし, そのような教育の成果として, 日本人は英語の読み書きを本当に得意とするのだろうか。
英字新聞や雑誌などから日常的に情報を得たり, あるいは英語の小説を読むのを趣味にしている人がどれほどいるのだろうか。そのような人がいかに例外的な存在であるかは, すなわち, 一般的な日本人の英語読解力も決して誇れるものではないことは, 当の日本人自身が十分に承知している。
そこで, 「本物の読みの力」をつける一方法として, 私たちは, 今の学校教育ではほとんど行われていない「多読」に注目してみた。
私たちの多読指導は1996年度1年生(京都教育大学附属高等学校 第32期生)に始まる。32期生を対象とした調査研究については橋本ほか(1997)に詳しいが, 本稿では, 同研究を踏まえて, その後の継続的な取り組みによって蓄積されたデータとその分析を報告するとともに,最も新しい35期生のデータを詳しく報告する。
2.多読の効果T(32期生)
本節では32期生を対象に実施した多読指導の方法とその効果を紹介する。
2.1. 調査の方法
私たちは, 1996年度1年生200名を対象にして多読指導を行ったが, その効果をみるために, 事前(1996年6月)に読解力を測るためのプリテストと英語(学習)に対する態度・意識を探るためのプリアンケートを, また, 事後(1997年2月)には, ポストテストとポストアンケートをそれぞれ実施した。
読解力をみるために Reading Power (Addison-Wesley Publishing Company, 1989) から2題を選び, 問題用紙の表に英文を, そして裏には設問を載せたプリントを用意した。生徒は英文を読み終えた時点で読破時間を記録し, プリントを裏返して設問に答える。解答時には英文を見直してはいけない。多読学習の事前と事後に同じテストを受けることによって, 英文読解力の変化を測定しようというわけである。
なお, 生徒の読解力を判定する指標としては wpm (words per minute) と理解度を組み合わせた「読解率(WPM)」 を用いることにしたが, その算出には次の式を用いた。
WPM = (語数/読破時間(分))×(正答数/設問数)
2.2. 多読と読解力
ここでは, 多読学習が読解力にどのような影響を与えたかを報告する。
200名の被験者をまず, プリテスト2題のWPMの平均値によって「成績上位群」(80WPM以上) と「成績下位群」(79WPM未満) の2群に分類し, さらに, それぞれの読破ページ数にしたがって, 200ページ以上の者, 100〜199ページの者, 100ページ未満の者の3群に分類して, 表1に示す計6群を設定した。なお, プリテスト・ポストテストのいずれかを受験していない7名のデータは取り除き, 有効被験者数は193名であった。
さて, 各群のWPMは, プリテスト・ポストテストおよびその差(伸び)において表2のような結果になった。
多読学習による読解力の伸びをWPMの差から検証する。プリテストとポストテストのWPMを比較すると, 成績上位群では, B群(29.44)とC群(28.43)との間には大きな差は見られないが, B・C群に比べてA群(37.75)のWPMが大きく伸びている。また, 成績下位群では, F群(24.48)に比べてD群(40.97)ならびにE群(37.18)においてWPMの飛躍的な伸びが見られる。また, 統計処理(Mann-Whitney のU検定)を行った結果, A-B群, D-F群, E-F群の間においてそれぞれ有意差(5%水準)が認められた。
表1 読破ページ数による分類
群 |
成績 |
読破ページ数 |
人数 |
A |
上 |
200ページ以上 |
22 |
B |
位 |
100〜199ページ |
27 |
C |
者 |
100ページ未満 |
28 |
D |
下 |
200ページ以上 |
17 |
E |
位 |
100〜199ページ |
42 |
F |
者 |
100ページ未満 |
57 |
表2 読解力テストの結果(WPM)
群 |
プ リ |
ポスト |
差 |
A |
117.95 |
155.70 |
37.75 |
B |
120.06 |
149.50 |
29.44 |
C |
110.61 |
139.04 |
28.43 |
D |
66.82 |
107.79 |
40.97 |
E |
59.56 |
96.74 |
37.18 |
F |
54.98 |
79.46 |
24.48 |
以上の結果から, 事前のWPMの高低にかかわらず, 多読によって読破ページが増加するにつれて, 英文を読む速度と理解度が高まり, 読解力が向上することがわかった。
2.3. 多読と学習者の意識
英語(学習)に対する態度・意識の変容を調べるために, 多読学習の事前と事後にアンケートを実施した。アンケートの集計にあたっては, 表1にあるA〜F群に基づいて分類し, アンケートの各項目について統計処理を行った。
ここでは, アンケートの項目中, 多読学習の効果について尋ねた表3に示す項目について報告する。
表3 多読学習の効果に関するアンケート項目
1.英文を読むのが苦にならなくなったと思いますか。 |
2.英文を読むのが楽しくなったと思いますか。 |
3.辞書に頼らずに, 英文が読めるようになったと思いますか。 |
4.日本語に訳さずに, 英文が読めるようになったと思いますか。 |
5.英語がより好きになったと思いますか。 |
6.読書(英文に限らない)の習慣がついたと思いますか。 |
7. 勉強(英語に限らない)の習慣がついたと思いますか。 |
全項目について「全然思わない」なら0, 「大いに思う」なら2, その中間なら1と回答するように求めたところ, 表4に示す結果となった。
まず, 英文を読むことに対する意識について見てみる。項目1では, D-E群, D-F群, E-F群間で有意差が見られた。そして項目2では, A-B群, A-C群, D-F群, E-F群間で有意差が見られた。
表4 多読学習による態度・意識の変容
群/項目 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
A |
0.90 |
1.05 |
1.14 |
1.14 |
1.00 |
0.71 |
0.52 |
B |
0.56 |
0.41 |
0.52 |
0.52 |
0.48 |
0.62 |
0.44 |
C |
0.56 |
0.64 |
0.54 |
0.57 |
0.46 |
0.26 |
0.36 |
D |
1.18 |
1.12 |
1.00 |
0.89 |
1.00 |
0.76 |
0.47 |
E |
0.76 |
0.76 |
0.41 |
0.41 |
0.70 |
0.59 |
0.39 |
F |
0.38 |
0.42 |
0.42 |
0.35 |
0.42 |
0.20 |
0.31 |
プリアンケートで,「英文を読むのが苦になりますか」という質問を −2, −1, 0, 1, 2(−2:大いに苦になる, 2:全然苦にならない)の5段階スケールで尋ねた結果, 各群の平均値は表5に示すとおりであった。
表5 「英文を読むのが苦になりますか」
A |
B |
C |
D |
E |
F |
0.45 |
0.22 |
-0.11 |
0.38 |
-0.48 |
-1.02 |
表4に現れた結果を表5と参照しながら考察すると, 成績下位群では, 読破ページが増えるにつれて英文を読むことが苦にならなくなって, むしろ楽しいと感じるようになり, 成績上位群でも, 特に読破ページが200ページを越える群は, 英文を読むことが楽しいと感じるようになってきたことがわかる。
さて, 英文を読む際になるべく辞書に頼らず, 直読直解できるようになるのがリーディングの到達目標のひとつとされるが, 次にこの点について見てみる。項目3では, A-B群, A-C群, D-E群, D-F群間で有意差が見られた。また, 項目4では, A-B群, A-C群, D-E群, D-F群間で有意差が見られた。
以上の結果から, 成績上位群・下位群ともに, 読破ページ数が200を越えたあたりから辞書への依存度が減って, 直読直解の習慣が身についたと感じるようになることがわかる。このような意識は, 読破ページ数が100未満の被験者と100〜199までの被験者の間では有意な差は見られなかった。
最後に, 多読学習が学習態度に及ぼす影響について見てみる。項目5では, A-B群, A-C群, D-F群, E-F群間で, また, 項目6では, A-C群, D-F群, E-F群間で有意差が見られた。項目7については, いずれの群間にも有意差は見られなかったが, これは, 学習者にとって多読が「勉強」であるという意識が希薄であったためであろう。
アンケートを分析した結果, 次の3点が明らかになった。
(1) 多読によって英文を読むのが苦にならなくなり, むしろ楽しいと感じるようになる。
(2) 多読によって辞書に頼らずに英文が読めるようになり, 和訳せずに英文が読めるようになったと感じるようになる。
(3) 多読によって読書の習慣が身につき, 英語が好きになる傾向がある。
2.4. 多読と偏差値
多読をすることで, 英語が速くかつ正確に読めるようになり, また, 英語に対して好ましい態度が育成されることはわかったが, しかし「多読で入試にも対応できるのか」という疑問をもつ人は少なくないであろう。そこで私たちは, 多読学習開始3カ月後(1年時9月)と学習開始1年後(2年時6月)において, 模擬試験の成績がどのように推移したかを調べてみることにした。
まず, 1年時9月に行った模試の英語においては全国偏差値が65未満の生徒が104名いたが, この生徒たちを2年6月時の読破ページ数にしたがって, X群(200ページ以上), Y群(100〜199ページ), Z群(〜99ページ)の3群に分類して, 2年時6月の偏差値と比較した。結果は, 表6に示すとおりである。ただし, 1年時9月の偏差値が65以上の者については, 偏差値というものの性質上, それ以上の明示的な伸びは期待しにくいと判断して統計からは除外した。
表6 読破ページ数と偏差値の推移
群 |
人数 |
1年時 |
2年時 |
差 |
X |
12 |
58.4 |
62.4 |
4.0 |
Y |
40 |
55.2 |
55.8 |
0.6 |
Z |
52 |
54.2 |
52.6 |
-1.6 |
表から明らかのように, 読破ページ数と模試の成績の伸びには明確な相関が見られる。「多読は受験にも役立つ」ことが証明された。
3.多読の効果U(33期生)
上では, 英語の学習において多読がいかに有効であるかを実証したが, 私たちは次年度(1997年度)の1年生に対しても追実験を行って, データの拡大に努めた。ここでは多読指導2年目について報告する。
3.1. WPM
前年度と同様に被験者をプリテストのWPMによって上位群(60WPM以上)と下位群(59WPM以下)とに分け, さらに, それぞれを読破ページ数にしたがって3つずつの群に分けた。なお, 前年度と比べてWPMの数値が全体に減少しているのは, 差をより明確にするために問題を難しくしたためである。プリ・ポストのいずれかのテストを受験していない13名のデータは取り除き, 1997年度の有効被験者数は187名であった。
A〜F群におけるプリ・ポストのテストのWPMとその差を表7に示す。
表7 読解力テストの結果(WPM)
群 |
成績 |
読破ページ数 |
人数 |
プ リ |
ポスト |
差 |
|
A |
上 |
200ページ以上 |
12 |
85.47 |
113.42 |
27.95 |
|
B |
位 |
100〜199ページ |
17 |
83.75 |
91.32 |
7.57 |
|
C |
者 |
100ページ未満 |
59 |
81.05 |
95.69 |
14.64 |
|
D |
下 |
200ページ以上 |
5 |
49.36 |
88.76 |
39.40 |
|
E |
位 |
100〜199ページ |
9 |
43.19 |
66.43 |
23.24 |
|
F |
者 |
100ページ未満 |
85 |
43.39 |
61.25 |
17.86 |
|
B群を除けば, 読破ページ数とWPMの伸びとが正比例していることが見てとれる。B群には, どういうわけかポストテストの成績が極端に悪い者が数名いて, その群の平均値を大きく引き下げる結果になった。
さて, 統計処理を行った結果, プリテストでは上位群内ならびに下位群内において有意差は見られなかったが, ポストテストとの差においては, A-B群, A-C群, D-F群の間でそれぞれ有意差が見られた。
やはり, 読破ページ数と読解力には高い相関があることが改めて実証された。今回の実験では特に200ページが読解力の伸びを分ける境界線になることが判明した。200ページが指導のひとつの目安になりそうである。
3.2. 態度・意識の変容
多読学習の一応の終了時である1年時2月にポストアンケートを実施して, その時点までの読破ページ数と学習者の態度・意識の変容との相関を調べてみた。
まず, 読破ページ数にしたがって被験者を表8に示す3つの群に分けた。なお, ここではすべての質問項目に回答していない者のデータは統計からは削除したため, 有効回答者数は177名であった。
表8 読破ページ数による分類
群 |
読破ページ数 |
人数 |
α |
200ページ以上 |
14 |
β |
100〜199ページ |
21 |
γ |
100ページ未満 |
142 |
次に, 表3にあげたのと同じ項目について, やはり前年度と同じように「全然思わない」なら0, 「大いに思う」なら2, その中間なら1と回答するように求めた。その結果を表9に示す。
表9 多読学習による態度・意識の変容
群/項目 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
α |
1.14 |
1.43 |
1.14 |
1.21 |
1.29 |
0.64 |
0.29 |
β |
0.81 |
0.71 |
0.57 |
0.76 |
0.76 |
0.57 |
0.29 |
γ |
0.51 |
0.51 |
0.46 |
0.54 |
0.51 |
0.30 |
0.29 |
項目7の「勉強の習慣」を除けば, 他の項目については, 読破ページ数と英語に対して好ましい態度・意識の育成との相関は一目瞭然である。端的に言えば, 「英語をたくさん読むと, 英語がそれだけ好きになる」ということである。
ただ, 今回は表8にあるように, 前年度に比べて読破ページ数が全般に低調であった。多読指導初年度(1996年度)は意識的に多読を奨励したが, 2年目(1997年度)は生徒たちの自主性に委ねるところが多かったことが大きな一因だと思われる。やはり, 当初の呼びかけに加えて, 折々に読書を奨励していくことが必要であろう。
3.3. 偏差値
生徒たちは年に数回の模擬試験を受験するので, 今回は前年度とは異なる時期の模試について, その偏差値の推移を調べてみることにした。
多読学習開始3カ月後の1年時9月に行った模試の英語において全国偏差値が65未満の生徒は110名であった。この生徒たちを2年9月時の読破ページ数にしたがって, X群(200ページ以上), Y群(100〜199ページ), Z群(〜99ページ)の3群に分類して, 2年時9月の偏差値と比較した。結果は, 表10に示すとおりである。
偏差値の伸びの差においてY群とZ群との間にはわずかな逆転現象が見られるが, X群との格差は明白である。やはり, ここでも200ページが境界線になると言えよう。
表10 読破ページ数と偏差値の推移
群 |
人数 |
1年9月 |
2年9月 |
差 |
X |
5 |
57.7 |
64.3 |
6.6 |
Y |
18 |
54.8 |
57.6 |
2.8 |
Z |
86 |
54.8 |
58.0 |
3.2 |
次に, この2年時9月における偏差値65未満の生徒99名を2年1月時の読破ページ数にしたがって, X′(200ページ以上), Y′(100〜199ページ), Z′(〜99ページ)の3群に分類して, 2年時1月の模試の偏差値と比較した(表11)。
表11 その後の偏差値の推移
群 |
人数 |
2年9月 |
2年1月 |
差 |
X′ |
6 |
58.6 |
58.0 |
-0.6 |
Y′ |
16 |
55.0 |
51.3 |
-3.7 |
Z′ |
77 |
55.0 |
50.0 |
-5.0 |
2年時1月の模試はそれを受験した高校の学力レベルの関係で, 被験者の偏差値が全般に低下したが, その低下の差は読破ページ数と明らかな相関を示していることが見てとれる。
以上, 2年間にわたる計400名を対象にした調査で次の3点が実証された。
多読によって,
(1) 読解力が着実に向上する。
(2) リーディングに対して望ましい態度・意識が形成される。
(3) 受験に対応できる英語力が養成される。
4.多読の効果V(35期生)
本校の多読指導は, あくまでも生徒たちの授業外での自主的な読書が中心である。そんな自由読書を保障するには, 充実した多読用ライブラリーを設置することが何よりも大切である。私たちのライブラリー作りは, まず教官室に散在している副読本などを整理することから始まった。
そして, 私たちの実践は幸いなことに, 1996年に日本英語検定協会の第9回研究助成の対象となり, その助成金で多くの書物を購入することができた。上記の32期生や33期生はその恩恵に浴したわけである。
さらに, 1998年度と翌99年度には, 今度は校内の研究推進費によって多読用図書は一層の充実が図られ, その結果, 現在(2000年9月)では, 1000タイトル近くの書物を有するライブラリーが設置されることになった。
これを機に, 私たちは35期生(1999年度1年生)を対象に, 多読の効果に関する追実験をもう一度実施してみた。本節ではその結果を報告する。
4.1.多読と読解力
35期生200名を, 2.2.で示した32期生の場合と同じように, まずプリテスト(1999年6月実施)のWPMによって, 「成績上位群」(80WPM以上)と「成績下位群」(79WPM以下)の2群に分類した。さらに, それぞれを読破ページ数にしたがって, 今回は150ページ以上の者, 50ページ〜149ページの者, 50ページ未満の者の3群に分類して, 表12に示す計6群を設定した。32期生の場合は, 夏休みの課題として全員に約50ページの多読本を読むことを課していたが, 35期生にはそのような課題を課さなかったため, 全体的に読破ページ数が減少したことを考慮して, 150ページ, 50ページを3群の区切り目とすることにした。なお, プリテスト・ポストテスト(2000年6月実施;プリテストとは別問題を使用)のいずれかを受検していない者と英語圏からの帰国子女の合計8名のデータはすべて取り除き, 有効被検者数は192名であった。
表12 各群の基準及び被検者数
群 |
成績 |
読破ページ |
人数 |
A群 |
上位者 |
150ページ以上 |
10名 |
B群 |
上位者 |
50〜149ページ |
13名 |
C群 |
上位者 |
50ページ未満 |
21名 |
D群 |
下位者 |
150ページ以上 |
11名 |
E群 |
下位者 |
50〜149ページ |
23名 |
F群 |
下位者 |
50ページ未満 |
114名 |
さて, 各群のWPMは, プリテスト・ポストテストおよびその差(伸び)において, 表13のような結果になった。
表13 読解力テストの結果
(WPM)
群 |
プリ |
SD |
ポスト |
SD |
差 |
A |
105.00 |
15.83 |
141.00 |
30.64 |
36.00 |
B |
98.67 |
9.54 |
124.08 |
23.93 |
25.33 |
C |
94.43 |
12.87 |
113.45 |
25.00 |
19.02 |
D |
64.67 |
6.13 |
104.55 |
15.35 |
39.88 |
E |
58.46 |
11.06 |
84.45 |
17.16 |
25.99 |
F |
56.77 |
12.35 |
77.70 |
23.38 |
20.93 |
まず, ポストテストの結果を見てみよう。ポストテスト1のWPMは, 成績上位群内(A〜C群)では, A群141.00, B群124.08, C群113.45となっており, 読破ページ数が多くなるにつれてWPMの平均値が高くなっている。成績下位群内(D〜F群)でも, D群104.55, E群84.45, F群77.70であり, 上位群と同じ結果になっている。また, 統計処理を行った結果, A群—C群, D群—F群間において, 有意差が認められた。
多読指導の前には, 成績上位群内及び成績下位群内の各群間で読解力が均質であったかどうかについて見てみよう。 プリテストのWPMは, 成績上位群内(A〜C群)では, A群105.00, B群98.67, C群94.43, 成績下位群内(D〜F群)では, D群64.67, E群58.46, F群56.77となっていた。この結果を検定にかけると, A群—C群間には有意差が認められなかった。従って, 多読指導の事前には, 成績上位群内の各群間には読解力の差はなかったと言える。このことから, 成績上位群内においては, 多読によって読破ページ数が増えると, 読解力が向上することが確認できた。
一方, 成績下位群のD群とF群の間には, 検定の結果, 有意差が認められた。従って, プリテストの段階でD群とF群の間には既に有意差が存在していたので, ポストテストで両群に有意差が認められたものの, 多読によって読破ページが増えると読解力が向上すると言えるかどうかはこの結果だけではわからない。 そこで, D群, F群のそれぞれについて, プリテストとポストテストのWPMの差(伸び)を調べてみたところ, それぞれ39.88と20.93であった。この結果を検定にかけると, D群, F群の間で有意差が認められた。従って, 成績下位群内においても, 多読によって読破ページ数が増えると読解力が向上することが確認できた。
これらの結果から, 成績の上下に関わらず, 多読によって読破ページ数が増加するにつれて, 英文を読むスピードと理解力が高まり, 読解力が向上することが今回の調査でも確認できた。
4.2.態度・意識の変容
英語学習に対する態度・意識の変容について調査するため, 今回も表3と同じ項目のアンケートを多読指導の事前(1999年6月)・事後(2000年3月)に実施した。アンケートの集計にあたっては, 読解力テスト(プリテスト)の成績によって上位群と下位群に大別し, さらに各群を, 読破ページ数によってそれぞれ3つの群に分けて比較を行った。各群の基準及び被検者数は, 表12に示した通りである。ただし, F群は114名中, 5名がアンケート実施日に欠席したため, 109名を対象とした。全項目について, 「全然思わない」なら1, 「大いに思う」なら3, その中間なら2と回答するよう求めた。表14はその結果である。
表14 英語学習に対する態度・意識の変容
群/項目 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
A |
1.80 |
2.10 |
1.90 |
2.00 |
2.00 |
1.30 |
1.10 |
B |
1.69 |
2.00 |
1.46 |
1.69 |
1.69 |
1.54 |
1.08 |
C |
1.41 |
1.41 |
1.29 |
1.59 |
1.47 |
1.18 |
1.06 |
D |
1.91 |
2.00 |
1.73 |
1.91 |
1.82 |
1.73 |
1.09 |
E |
1.46 |
1.55 |
1.27 |
1.46 |
1.36 |
1.27 |
1.00 |
F |
1.28 |
1.45 |
1.17 |
1.27 |
1.41 |
1.25 |
1.23 |
統計処理を行った結果, 有意差が認められたのは, 成績上位群では, 項目2のA群とC群の間のみであった。成績下位群では, 項目1, 3, 4において, D群とF群の間で有意差が認められた。このことから, 成績上位群では, 読破ページが150ページを越えると, 英文を楽しんで読めるようになったと感じるようである。一方, 成績下位群では, 同じく読破ページが150ページを越えると, 英文を読むのが苦にならなくなり, 辞書に頼らずに英文が読めるようになり, さらに, 日本語に訳さずに英文が読めるようになると感じるようになることがわかる。
しかし, アンケート項目1「英文を読むのが苦にならなくなったと思いますか。」, 項目2「英文を読むのが楽しくなったと思いますか。」, 項目3「辞書に頼らずに英文が読めるようになったと思いますか。」, 項目4「日本語に訳さずに英文が読めるようになったと思いますか。」, 項目5「英語がより好きになったと思いますか。」のすべてにおいて, 成績上位群, 下位群のいずれにおいても, 読破ページ数の多い群の方が数値が高くなっていることがわかる。このことから, 成績上位群, 下位群を問わず, 読破ページが増えるにつれて, 英文を読むことに対する意識に好ましい変化がもたらされ, 実際に英文を読む際, 辞書への依存度が減り, 和訳せずに直読直解の習慣が身につき, 結果として英語が好きになる傾向があることを見てとることができるように思われる。
項目6では, D群とF群の間で有意差が見られた。この項目を含めて, 今回のアンケート調査では, 成績上位群においてよりも成績下位群において, 英語学習に対する態度や意識が好ましい方向に変容することが一層顕著であった。このことは, 英語を苦手とする生徒にどのような指導を行えば学力を伸ばすことができるのかという問題に, 大きな示唆を与えているように思われる。
項目7については, 32期生の場合同様, いずれの群間にも有意差は見られなかった。
4.3.生徒の読書傾向の分析
1999年6月から2000年5月までの1年間に, 返却カードの提出された本の册数は合計315册であった。これらの返却カードのデータから生徒の読書傾向を見てみよう。まず, 最もよく読まれている本のベストテンは, 表15のようになっている。
表15 貸出册数ベストテン
ランキング |
本の番号 |
本のタイトル |
貸出回数 |
1 |
8015 |
Curious George Goes to a Chocolate Factory |
11 |
1 |
8020 |
Curious George Makes Pancakes |
11 |
3 |
8019 |
Curious George Dreams |
9 |
4 |
8018 |
Curious George Feeds the Animals |
8 |
4 |
8021 |
Curious George Goes to a Movie |
8 |
6 |
1129 |
風の谷のナウシカ |
6 |
6 |
8008 |
Little Bear’s Visit |
6 |
6 |
8016 |
Curious George and the Puppies |
6 |
9 |
54 |
The Phantom of the Opera |
5 |
9 |
162 |
The Story of Ivan the Fool |
5 |
9 |
223 |
The Death of Karen Silkwood |
5 |
9 |
1337 |
Love Story |
5 |
9 |
8003 |
The Spotty Pig |
5 |
表16 生徒に人気のある本のリスト
本の番号 |
書 名 |
おもしろさ度の平均 |
72 |
赤毛のアン |
5 |
1143 |
Mutchan |
5 |
1273 |
オードリー・ヘップバーン |
5 |
199 |
The
Magic Barber |
4.7 |
8015 |
Curious
George Goes to a Chocolate Factory |
4.5 |
8020 |
Curious
George Makes Pancakes |
4.5 |
1337 |
Love
Story |
4.5 |
1246 |
"True"
Stories of Wonders and Ghosts |
4.5 |
8006 |
Little
Bear's Friend |
4.5 |
21 |
Poor
Elephants |
4.5 |
173 |
Sherlock
Holmes Short Stories |
4.5 |
71 |
ブラックジャック |
4.5 |
1070 |
ヘレン・ケラー |
4.5 |
19 |
火垂るの墓 (野坂昭如) |
4.5 |
8000番代の本は新規購入の絵本であるが, それらが圧倒的に人気のあることがわかる。特に, Curious Georgeのシリーズは多読の入門には適していると思われる。また, 返却カードに記入されている「おもしろさ度」から人気のある本をリストアップしてみると, 表16のようになる。なお、「おもしろさ度」の平均を出すに際して、1人しか借りていない本は表から省いてある。この表にはCurious Georgeのシリーズからは2冊しか入っておらず、むしろ感動的なストーリーものが人気のあることがわかる。
次に, レベル別に, 返却册数を見てみよう。初級用が102册, ただし, 絵本94册も初級に含めると, 併せて196册になる。中級用は102册, 上級用は17册のみであった。読まれた本の大部分が初級, 中級レベルの本であることが分かる。これは今回のデータが1年生についてであったので, 当然の結果であると言えよう。 望むらくは, 今後2年, 3年でも多読本を読み続けて, 一人でも多くの生徒が中級, 上級の本に挑戦してくれることである。
5.ケーススタディー
前節まで, 多読プログラムの及ぼす全体的な効果や影響について述べてきたが,
ここでは2名の3年生のケースを取り上げてみることにする。両名は3年生という多忙な時期に多読に取り組んでいる。受験勉強に追われてそれどころではないと思うのだが,
多読を通して英語力を伸ばしている。また, 自立した読み手となりつつあることもうかがえる。何がふたりを多読にかきたてるのか。どんな変化が起こっているのか。Aさん,
Bさんの場合として紹介してみよう。
5.1.Aさんの場合
Aさんは本校に入学した時から英語が好きな生徒であったが, なかなか点数には表れず, 入学当初の英語の成績は本人にとっても不本意なものであったと思われる。このAさんが多読プログラムを知り, 1年から3年にかけて自分なりの方法で英文を楽しんで読むようになった。特に3年になってからは,
連日のように英語教官室に顔を見せて英語の本を借りる姿が見られた。
その一番の収穫はAさんが英語を楽しんで読めたことであることは言うまでもないが, 英語の成績においても徐々にその成果が表れ, 1年時の英語の学校での成績は, 「英語T」, 「オーラル・コミュニケーション」共に5段階評定の「3」であったが,
3年1学期には「リーディング」, 「ライティング」共に「4」となった。
また, 模擬試験の英語の全国偏差値においても, 表17のように変化(上昇)が見られる。
表17 Aさんの全国偏差値の変化
学年 |
第1回 |
第2回 |
第3回 |
1年 |
38.7 |
50.3 |
64.6 |
2年 |
61.5 |
59.7 |
68.7 |
3年 |
64.6 |
70.3 |
|
Aさんは, 高校卒業後は大学に進学して英語をさらに勉強することを強く望んでいる。
さて, Aさんには, 次の質問に答えてもらった。
「1年, 2年, 3年, それぞれの学年で読んだ量とその取り組み方はどうでしたか?」
1年時
学校で配布されたプリントでこの「多読プログラム」の存在を知る。もともと私は英語が好きで, 洋書に挑戦したいなと思っていた矢先のことだったので, 早速とりあえず2冊借りた。このうち1冊は「赤毛のアン」。 やさしい英語で, しかも洋書を読むなんて初めてのことだったから,
ワクワクした気持ちで1日で読み終えてしまった。もう1冊は「風の吹く時」。今日まで私が洋書を読むことが楽しいと思い続けてこられた理由の大部分を占めるのが, この本との出逢いだといえる。
当時私は入院をしており, 病院のベッドの上でこれを読んだ。感動して涙が出た。英語を読んで涙を流した自分に驚きすらしたが, その瞬間, 英語でしか表現できない感動に触れることができた気がして,
すっかりとりこになってしまった。3年間でできるだけたくさんの量を読もうと決心した。毎日たくさん読んだわけではないが, 読みたい時にちょこちょこ読むという感じで,
とりあえず1年間続いた。通年で350ページくらい読めたと思う。
2年時
「読まなきゃ」という義務的意識を持つと続かないと思い, 趣味の一環として読むことにした。すると, 本当に気まぐれでたくさん読むときと, まったく読まない時の差が激しかった。 ほかにしなければならないことがいろいろあって,
2年生の1年間には思うほど読めなかった。 通年300ページ弱だったと思う。
3年時
2年生であまり読めなくて少し後悔したので, 今年は最後の年なのでたくさん読もうと決心。そして夏休みに, 1冊厚めの本に挑戦してみようと, 他の本に浮気せず読み切る決意をした。 実際読んでみると結構むずかしくて,
1ページ読むのに時間がかかった。 その上, 他のことも忙しくなってきて, 夏休み後半は全然読めなかった。現在(9月13日)読んでいるのはまだその頃からのものだが,
時間はかかっても非常に面白いので在学中に絶対読み切ってやろうと思っている。
「あなたは3年になって読書量が大いに増えましたが, そのことによって英語を読む速さ, 辞書を引く頻度, 読み易さ, 楽しさなど, 英語を読むことに対するあなたの姿勢にどんな変化があったと感じていますか。」
多読プログラムのおかげで, 明らかに読むスピードが速くなった。 言い換えると, 文の構造を見抜くのにあまり時間がかからなくなったのだと思う。この単語がきたら, 後に対になる表現が出てくるはずだとか,
見当がつけられるようになった。速く読めるようになると, 辞書でわからない単語をひくのも苦じゃなくなるし, 苦じゃなくなると, その本を「楽しむ」ことがより可能になる。本を読むことに熱中すると「勉強時間を割くことになる」という心配もある。実際,
面白くてのめりこんで1日中読んでいて, 勉強できなかった日もあった。しかし, 英語を読んでいるのであるから, その時間が無駄になったなんてことにはならないはずだと思う。でもこれからの時期はそうとばかりは言っていられないので,
時間を守って, 節度を保って読んでいこうと思っている。
Aさんは, 1年時に長い入院生活を強いられたが, その中でこの多読プログラムが, Aさんの励ましになったことを心からうれしく思う。また, Aさんがこのプログラムを利用して自らの努力で培ってきた力と,
読む楽しみと, 英語に対する熱意が, Aさんの将来においても長く生き続けていくことを強く願う。
5.2.Bさんの場合
Bさんは1年と2年時には1冊も英語本を借りてはいない。自発的な読書は皆無で, 授業の教材以外には夏休みの課題として学年全体に与えられた読み物ぐらいしか読んでいなかった。そんなBさんが, 3年になって突然多読を始めた。かなりのペースで英語本を借りるようになり,
受験勉強で忙しい毎日の中で時間を見つけては読んでいると言う。いったいBさんに何が起こったのか。何がきっかけで読み始めるようになったのか。多読をするようになってBさんにどんな変化が現れたのだろうか。そこでBさんに聞いてみた。
まず, 3年になって突然多読を始めた動機は,
同級生の友人に奨められたこと, 大学受験に役立つのではないかと考えたことであるとBさんは答えてくれた。奨めてくれた友人は1年生の頃から多読に取り組んでいて, Bさんにも読んでみてはどうかと奨めた。受験の年を迎え,
何とかして, 英語力をつけたいと考えていたBさんは, それなら多読をやってみようと考えた。Bさんは, 最初は絵本や短い話を中心に読み始めた。それからだんだん長い物語を読むようになり,
最近は外国に対する知識を増やしたり, 文化の違いを知るために, 外国から見た日本や, アメリカなどの文化について書かれた本を選ぶようになってきた。読書量は, その時々によって異なるが,
多く読むときは, 1日30〜40ページ程度読む。あまり読まないときは, それと同じくらいの量を2〜3週間かけて読む。最近は勉強に追われているので, 通学途中の電車の中で読むことが多いそうだ。
次に多読によってBさんの英語力にどんな変化が起きたかを聞いてみた。Bさんは多読を始めてから明らかに自分の英語力に変化が起きたと感じている。まず読むスピードが速くなったと感じている。そして速くなった理由をいくつか挙げてくれた。まず第一に英文に対する抵抗感が無くなったという。それまでは, 英語の長文を見ただけで「英文だ。頑張って読まなくては」という意識が起こっていたが, 多読をすることで徐々に無くなっていったらしい。第二に,
知らない単語の意味をある程度予測できるようになったことをあげている。それまでは知らない単語に出くわすたびに不安になり, 立ち止まって, 読む気力が無くなってしまっていたが,
多読によってだいぶ克服されたとBさんは言う。確かに, このようなことが読む速度を速くしているということは十分に考えられる。
最後に, 多読が受験のために効果があると思うかどうか質問してみた。Bさんの答えは「はい」であった。その理由は以下の通りである。読むスピードが速くなると,
長文を読む際に, 「ついさっき読んだはずの内容を忘れてしまった」などということが少なくなり, パラグラフごとの要約がしやすくなる。そのために, 今まで抵抗感があった長い英文でも長いと感じなくなってきた。この結果,
長文問題が解きやすくなったというのである。ここでBさんの英語の成績を見てみると, 模擬試験の全国偏差値は, 1年と3年を比べると約20ポイント上昇している。学校の成績の方は,
1.5ポイントの伸びである。もちろん, この成績上昇は多読だけがその原因とは言えないだろう。様々な要因が複合しての結果であろう。しかし, 3年になって急激に伸びたことから考えても,
多読の効果が大きかったと推測することは妥当ではないだろうか。
Bさんはこれからも多読を続けたいと言っている。受験のためではなく, 自分の知的好奇心をより満たすために, 日本語の読書と同じように英語本を読み続けたいというのである。これこそ, 本校の多読プログラムが目指している「自立した読み手」を育てることに他ならないのではないだろうか。Bさんのような生徒が一人でも増えてくれることを願っている。
6.おわりに
本校で多読プログラムを開始して5年目になり, その間蔵書も充実してきた。 10分間の休憩時間や昼休み, 放課後などに, 多読本の借り出しと返却に英語教官室へ足を運ぶ生徒の姿もすっかり定着したように思える。この多読プログラムの特徴は生徒に強制せずに, あくまでも生徒の自由読書を奨励するところにある。したがって, テストや評価などをせず, むしろ多読プログラムに生徒の関心を引き付け, 読書意欲を一層喚起するために, 折に触れて「多読通信」(資料1参照)を発行してきた。また, 各生徒が1年間に読んだ本の一覧表(「英語多読プログラム図書貸し出し個人カード」資料2参照)を作成して2年の夏休み前に配布した。さらに, 今年度から、借り出し, 返却の際に, 生徒自身がデータをコンピュータに入力できるようにプログラムを作成した。
このように整備された環境の下, 今後も多読プログラムを活用した多読指導を一層推進していきたい。
今回, 35期生のデータの分析にあたって, 京都教育大学英文学科の鈴木寿一先生にたいへんお世話になったことをここに記して感謝の意を表したいと思う。
参考文献
金谷憲編著. (1995) 『英語リーディング論』 河源社.
渡辺時夫編著. (1996) 『新しい読みの指導』 三省堂.
斎藤栄二. (1996) 『英文和訳から直読直解への指導』 研究社出版.
橋本雅文ほか. (1997). 「高等学校における多読指導の効果に関する実証的研究」『STEP BULLETTIN』Vol.9, 118-126.
橋本雅文ほか. (1998). 「高等学校における英語多読指導」 『英語教育』 1998 Vol.46 No.12, 74-76.
橋本雅文ほか. (1998).「多読指導からのアプローチ」『英語教育』1998 Vol.47 No.2, 42-43.
Richard R. Day & Julian Bamford. (1998) Extensive Reading in the Second Language Classroom. Cambridge University Press.
柳井久江. (1998) 『4 Steps エクセル統計』オーエムエス.
斎藤栄二・鈴木寿一編著. (2000). 『より良い英語授業を目指して』大修館書店.
高梨康雄・卯城祐司編. (2000). 『英語リーディング事典』研究社出版.