目的別おすすめ最新ソフト10選 〜電子辞書〜
京都教育大学附属高校
高田哲朗
電子辞書を使い出して6年余りになる。とりわけここ数年は電子辞書なしの授業は考えられなくなっている。ここでは,必ずしも最新のものばかりではないが,授業の教材研究や自己研修に日々活用している電子辞書を紹介してみよう。
◆Cambridge Learner’s Dictionary CD-ROM
(Cambridge University Press,2001)
◆Cambridge Dictionary of American English on CD-ROM (Cambridge University Press,2000)
この2つの電子辞書は,辞書本体に付属しており,CD-ROMだけ別に購入する必要がないので値段が非常に安い。このことがまず魅力である。また,共通の検索ソフト(CD-ROMに付属)を用いているので,両方の辞書をハードディスクにインストールしておけば,切り替えも瞬時にできて2冊を縦横に利用できる。高校生に英単語の意味を英語で説明するには,Learner’sの英語が一層わかりやすくてよい。例文も現代的な内容のものが多い。Learner’sでは,英米両方の発音が聞けるようになっている。(赤のマークをクリックすれば英音,黒は米音)また,画面上のExercisesをクリックすると文法や語彙の練習問題が用意されており,採点もしてくれる。さらに,Picturesをクリックすると,英絵辞典になっており,語彙を楽しみながら学習できる。Study pagesでは,Classroom EnglishやIdiomなどを学習できるようになっている。(練習問題も用意されている。)このように,Learner’sは単なる学習者用英英辞典と言うよりマルチメディアの学習ツールと言うべきであろう。このようなツールを用いて,生徒がコンピュータ室などで自学自習するのがあたりまえになると,日本の英語教育も随分進歩することだろう。なお,両方ともインストールもコピーやペーストなどの機能も極めて使い勝手がよい。Windows専用である。
◆「速解」(SSIトリスター,1997)
マルチメディア時代ならではの辞典として,いわゆる英絵辞典をあげることができるだろう。絵の一部をマウスでクリックするとその部分の単語を文字と音声の両方で知ることができると言うものだが,そのうち本格的なもので,日英独3ヶ国語対応のものとして,「速解」を紹介しよう。28のテーマがあり,600のサブジェクト画面に細分され,1400以上のイラストレーション画面へと分かれている。イラストレーションはプリントアウトできるようになっており,Windows / Mac両方に対応している。
◆「新編英和活用大辞典」(研究社,1996)
勝俣の「新英和活用大辞典」にお世話になったことのない英語研究者はいないであろう。この名著がCD-ROM化されて一層使い勝手がよくなった。見出し語や訳語から検索する単語検索(前方一致と後方一致の両方有り),用例全体から検索する条件検索,特定の連結パターンを検索する複合検索など多様な検索方法が利用できるようになったので,飛躍的に引きやすくなった。ライティングの教材研究などで重宝している。Windows / Macの両方に対応している。
◆「リーダーズ+プラス」(研究社,1996)
「リーダーズ英和」と「リーダーズ・プラス」の合計45万語が収録されているので,ペーパーバックの小説を読んでいてもこれでほとんど対応できる。筆者はこの辞書の電子ブック版を常に携帯している。もちろん教室にも持参する。これが傍にあると何となく安心感が得られる。CD-ROM版はWindows / Mac対応である。
◆「ジー二アス英和・和英辞典」(大修館書店,1998)
筆者の場合,最も引く回数の多い英和辞典は「ジーニアス英和辞典」だが,CD-ROM化されて一層便利になった。同じ検索画面で英語を打ち込めば「ジーニアス英和辞典」に,日本語であれば「ジーニアス和英辞典」に飛んでいくことができ,この2冊を縦横無尽に利用できるようになったからである。単語検索の場合,英和,和英の両方で前方検索と後方検索ができるので便利である。用例を調べるのも極めてスムーズにできるので,語法に詳しいと定評のあるこの辞書の利用価値がさらに高まったと言える。Windows / Mac対応。
上記以外に教材研究や自己研修に活用している電子辞書として,以下のようなものがある。
(Microsoft,1996)
◆GROLIER MULTIMEDIA ENCYCLOPEDIA (GROLIER INTERACTIVE INC.,1998)
◆「辞・典・盤」 (アスキー出版局,1996)
上の2つの百科事典はMac版とWindows版が発売されている。これらは主に教科書や副教材の内容をふくらませるための資料を作成するのに大いに役立つ。特に,1996年に購入したEncarta96 から受けた強烈な印象は今も忘れられない。「辞・典・盤」には,「岩波国語辞典」,「新英和・和英中辞典」(研究社),「知恵蔵」(朝日新聞社),「マイペディア」 (平凡社)が収録されており,Windows / Mac両対応である。「辞・典・盤Pro」も発売されている。
◆OUR TIMES (Vi CARIOUS,1996)
このCD-ROMは,サブタイトルがMultimedia Encyclopedia Of The 20th Centuryであり,20世紀についてのマルチメディア百科事典である。20世紀の出来事を収めた貴重な映像や音声,図表化した各種統計の他に,Columbia Encyclopediaが収録されておりテキスト情報も豊富である。20世紀に関する教材を扱う際には非常に強い味方になる。操作性に優れ,コピー,ペーストも容易である。Windows / Macの両方に対応している。
◆電子ブック版「名言は力なり」 (講談社,1991)
6冊の名言集がまるごと英和対訳で収録されている。さまざまな検索の方法が用意されているが,そのうちのキーワード検索を用いて,たとえば,英語の単語や成句を打ち込んで検索すると,その単語や成句が使われている名言を英語・日本語の両方で瞬時に知ることができる。特定の表現を用いた気の利いた例文を探したいときにはとても有用である。ソニーのDATA Discmanで使えるだけでなく,Mini CD Book Readerなどのソフトを用いることにより,パソコンでも利用できるので便利である。
◆ COLLINS COBUILD on CD-ROM
(HarperCollins,1995)
この電子辞書の特徴は,一つの単語または表現に対して,Dictionary, Usage, Grammar, Word Bankという4つの面から調べることができることである。特に,Word Bankでは,調べたい単語または表現を含む多数の用例を知ることができる。コピーやペーストなどの機能は必ずしも使い易いわけではないが,是非備えておきたい電子辞書であろう。Windows版。
以上に加えて,LONGMAN DICTIONARY OF CONTEMPORARY ENGLISHやOXFORD Advanced Learner’s DictionaryのCD-ROM版も適宜利用している。