オーラル・コミュニケーション リニューアル1年目の取り組み
英語科 境倫代・高田哲朗
1. はじめに 〜なぜリニューアルしたのか〜
94年度にオーラル・コミュニケーション(以下OCと略す。)の授業が始まって、まる5年が経過した。その間、初めはまさに試行錯誤しながらではあったが、3年かけて本校独自のOCの授業のスタイルを確立することができた。そのスタイルの主な特徴は、次の2点に集約できるだろう。
1)クラスを2分割し、一方の講座は普通教室でALT (外国人指導助手)とのTeam-Teaching(以下TTと略す。)、他方の講座はLL教室でのJTE(日本人英語教師)による授業を行い、毎週講座を交代する。
2)TTとLLの指導内容をできる限り関連させる。
最初の3年間の取り組みについては、本研究紀要で報告したのをはじめとして、学会、研究会で発表する機会を数多く得てきた。その後の2年間も、より充実した授業を目指して毎年少しずつ改良しながら実践してきた。しかし、5年目の98年度には、ややマンネリ化してきたせいか、これまで見られなかった問題点も顕在化してきた。そこで、99年度は、思いきってOCの授業をかなり大幅にリニューアルすることにした。具体的には、担当者によるリニューアルの原案作成→教科会議での審議(了承)→教官会議での報告という流れで進めた。
教科会議で担当者が提起した内容は次の通りである。
これまでのOCの授業の問題点:
ア)Speakingの時間が十分確保できない。(2週間で15分程度)
イ)LLの機能の一部しか使っていない。
ウ)LL始まりの講座とTT始まりの講座で差ができる。
エ)LLとTTの統合には限界があり、結果として効率のよくないところがある。
オ)JTEはクラスの半分しか見られない。
次年度に向けての提案:
A)OCをクラス単位の授業にする。
B)毎時間LL教室でTTを行う。
この提案(新システム)のメリット:
*全員の生徒がALTの指導を毎週受けられる。
*LLとTTの真の統合が可能となる。
*SpeakingとListeningのバランスがとれる。
*LLを活用したALTによる効率的な発音練習ができる。
*全員が公平に同一のレッスンを受けられる。(LL始まりとTT始まりの講座で差が出ない。)
*JTEがクラス全員を見られる。
*LLを二人で担当するので、機械にトラブルが生じた時、対処しやすい。
*LLの機器を活用することによりTTが一層立体的に展開できる。
*ALTの参加でLL授業をinteractiveに展開することができる。
2. リニューアルの基本方針
リニューアルに向けて、98年度3学期に少しずつ準備を進めた。99年度OCを担当するJTE(境、高田)とALT(佐々木ダナ)の3人で担当者会議を開き、リニューアルの骨格を決定していった。過去5年間の取り組みを踏まえて、次のような「年間計画」及び「基本的な授業の進め方」を決定した。
2. 1 年間計画
1学期
1. Orientation & LL 診断テスト
2. a Making Friends
2. b Making Friends
3. How to Have a Conversation & How
to Explain
4. a Making Suggestions & Preferences
4. b Making Suggestions & Preferences
5. a Giving Advice
5. b Giving Advice
6. Future Tense
------------------------------------------------------------
2学期
7. Video 〜Camping in Canada〜
8. a Past Tense
8. b Past Tense
9. a
Speaking Test
9. b Speaking Test
10.a
Giving Directions I (train or bus)
10.b
Giving Directions II (street)
11.a
Making Request & Instructions
11.b
Making Request & Instructions
12.
Video 〜Christmas
in Canada〜
------------------------------------------------------------
3学期
13.a Ordering I
13.b Ordering I
14.a Ordering II
14.b Explaining Things
15.a Speaking Test & LL 診断テスト
15.b Speaking Test & LL 診断テスト
主な改良点は、これまでのOCの授業で必ずしも満足できなかったレッスンをカットし、代わりに、How to Have
a Conversation & How to Explainというレッスンを新たに作ることにしたこと、これまで年1回しか実施していなかったSpeaking Testを年2回行うことにしたことなどである。なお、上の表中のaは、従来のTTを、bはLL授業をそれぞれベースにした授業であることを示している。
2. 2 授業の基本的な進め方 (General Lesson Plan)
TTとLLを統合して新たに教材を作るのに、毎回進め方を変えるのではなく、授業の基本的な進め方(General Lesson Plan)を考え、その流れに沿って各レッスンの教材を作成することにした。過去5年間のLLとTTの問題点を解消できるようにPlanを策定した。(3.1参照)その際,特に注意したのは次の点である。1)Inputから始めて、それを使ったOutputで終わり、同時に、例えば、ListeningTの応用編がListeningU、ConversationTの発展編がConversationUというように、易から難への自然な流れにすること。2)InputとOutputのバランスをとること。3)Listeningや発音練習でLLを活用すること。
3.授業の展開と教材作成
3.1 授業展開
前章で示したように,各レッスンは機能別の項目になっている。 2,3の例外を除いて各レッスンはPart T(TT中心)とPart U(LL中心)の2時間で構成され、各partの授業の展開は原則として次のような流れである。
General Lesson
Plan
Part T
a) Pre-listening
1. ListeningT
b) Listening to Model Conversation
INPUT
2. Comprehension Check
3. Explanation (expressions, grammar, etc)
4. Pattern/Pronunciation Oral Practice
OUTPUT
5. Conversation Practice T
Part U
a) Guess the story and get the picture
1. ListeningU(Watching Video)
b)
Watch and listen for details
INPUT
2. Comprehension Check
3. Explanation (expressions, grammar, etc)
4. Pattern / Pronunciation Oral practice
(when and if
necessary)
OUTPUT
5. Conversation PracticeU
Part Tでそのレッスンのtarget 表現を導入し、Part Uでビデオ教材を使ってそのtarget表現をさらに定着させることを目標として上記のように授業を展開した。順を追って説明すると次のようになる。
PartT
まず授業の前半で生徒達に必要な情報をinputする。
@targetとなる表現(例えば,道案内のし方)を含むmodel conversationをJTEとALTと
で行う。
Amodel conversationの内容を生徒が理解しているかどうかを確認する。
Btargetとなる表現と必要なgrammarを説明する。
次に後半では生徒達がoutputする番である。
Ctarget表現を含む英文をALTがあらかじめ録音しておき,それを聞かせてrepeatさせる。
Dtarget表現を用いて生徒達にペアワークで会話をさせる。
Part U
以下のprocedureはJTEが作成したworksheetに沿って進めていく。
@PartTと同じtarget 表現を含むビデオ教材(3分前後)を見せて内容を理解させる。その
際1回目は音を消して画面だけでstory を推測させ、2回目で音と画面の両方から内容を
理解させる。
Aビデオの内容理解をチェックする。
Bビデオ内で使用されているtarget表現を取り上げ説明する。
C必要がある場合のみPart Tと同様のPattern and Pronunciation
Practiceを行う。
DPartTのConversation Practiceはかなりコントロールされたものであるが、ここでは制
約のないもっとfreeなconversationを生徒同士で行う。
3. 2 教材作成
前節で示した授業展開の中で実際に用いた教材は次のようなものである。ここではLesson
5 Giving Advice で用いた教材を示している。
Lesson 5 Giving Advice
Part T
@Model Conversation
JTE: Hi, Dana.
How's it going?
ALT: Um, not so good.
JTE: What's the matter?
ALT: I'm thinking of taking a trip, but I don't know where to
go.
JTE: Why don't you go to Hokkaido? It's nice and cool there.
ALT: Good idea.
When should I go?
JTE: You'd better not go in winter; it's too cold.
ALT: Ok, I'll make it summer. So, what should I see there?
JTE: Ooh! You
must see Lake Mashu. It's really
something!
ALT: Thanks a lot.
I'll have to call a travel agent soon, right?
JTE: But still , if I were you I'd go to Okinawa. It's nice and hot and less crowded.
ALT: Huh!?!? Now
what should I do ?!?!
この会話は漫画の吹き出し内のせりふである。その漫画を印刷し生徒に配布した。レッスンによっては、ALTとJTEによる全くのオリジナルの会話もあり、その場合は印刷はせず、聞かせるのみである。
B Target表現の説明
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What's
命令的、決まり You must 〜
選択の余地はあまりない
決まり、決まっていること You have to 〜
強い You'd better 〜
しなければ良くない結果になる
忠告
You ought to 〜 状況によって
一般的 You should 〜 すべてのニュアンスを表せる
間接の忠告、提案 Why don't you ~ ?
提案、忠告として If I were you, I'd ~
自分の意見を言う
このレッスンでは資料として上のような説明のプリントを配付したが、口頭だけで説明する場合もある。
CPattern and Pronunciation Practice (これはテープに録音されたものである)
Why don't you wake up earlier?
If I were you I'd wake up earlier.
Why don't you ask your father?
If I were you I'd ask your father.
Why don't you try it?
If I were you I'd try it.
You should eat a good breakfast.
You shouldn't eat fast food.
You should sleep 8 hours a day.
You shouldn't watch too much TV.
You should use your dictionary.
You shouldn't be so selfish.
You'd better take your umbrella.
You'd better not forget your homework.
You'd better as your parents.
You'd better not break your promise.
You'd better help your partner.
You'd better not
sleep in class.
You have to go to school.
You don't have to wear a uniform.
You have to get a passport.
You don't have to study English.
You have to take off your shoes.
You don't have to buy a portable phone.
You mustn't kill animals.
You mustn't eat in the library.
You mustn't forget your manners.
You mustn't write on your desk.
You mustn't break people's hearts.
教室内でのpracticeだけでなく上記の英文をテープに録音させ、家庭で練習できるように持ち帰らせた。試験の前には上記の英文を印刷したものを配布し、口頭練習だけでなくdictationの練習にも活用させた。
DConversation Practice
model conversationの際に配布した漫画の吹き出しのいくつかを空白にしたプリントを配り、生徒にペアワークで会話を作らせた。 (資料1参照)
Part Uで使用するビデオ教材に即したworksheet
worksheet 1 - ( ) -
( ) Name (
)
STEP 1 : Oral Introduction
Listen to the conversation by
the teachers. What do you think
are necessary for camping?
STEP 2 : Watch the first minute of the video with the sound
off and guess the story.
The family won't be able to
find something when they arrive at the camping site.
Guess what they
will forget?
STEP 3: Watch the video and answer the following questions.
a) The boys are
looking forward to the trip.
[True / False]
b) The boys leave ( ) at
home. [Fill in the blank]
c) The family (@goes home A sleeps in the car
B goes to a motel C camps
anyway).
[Choose the correct one]
STEP 4: Watch
for Details:
Check the correct answers.
a)
( ) This is the
first time the family goes camping.
( ) The family goes camping for the first time in
a long time.
b) The trip to the campsite takes
( ) three hours.
( ) four hours.
( ) five hours.
c) The boys don't want to go because
( ) they're
going to miss the baseball game on TV.
( ) they don't
like insects.
d) The boy took the green bag our of the
car
( ) because
they didn't need it.
( ) but they forget to put it
in the car.
e) On the trip, the boys are going to
( ) go fishing and climbing.
( ) rest.
f) When they find out
they don't have a tent, the boys want to
( ) go home.
( ) stay in a motel.
STEP 5
Find Expressions
Watch the video and find the expressions of giving
advice. Match phrases from A and
B.
A
B
We'd better
brings lot of fruit for the boys.
We ought
to
bring something for breakfast
We
should
take some of this stuff out
STEP 6 Pattern and Pronunciation Practice
STEP 7 Another Conversation
Complete the following
conversation:
A: I hear you are going to study
in Canada for a year.
B: Yeah. I'm going to leave next
month. I have to prepare.
A: You have to [
].
B: Yeah, I
have to [
]
A: And
you'd better [
].
B: OK, good idea.
A: And you should [
].
B: OK. Thanks a lot.
上記の教材は典型的なものである。このようなレッスンは前節でも述べたように、機能別・場面別の表現を学習する目的で構成されている。 PartTのTT中心の教材は主にALTによって作成された。それに対して、Part
UのLL中心の部分はJTEがビデオ教材に即したworksheetを作成した。年間計画からもわかるようにすべてのレッスンがこのような授業展開をとるわけではない。例えば、今年度から新たに設けた
How to Have a Conversation & How to Explain というレッスンはTTだけの1時間で構成されていて、ビデオを使う授業は行わない。従来のように機能別・場面別の表現を学習するだけでは、生徒同士の会話を続けさせることがなかなか難しいという反省から、相手の発話が聞き取れなかったり、理解できなかったときにはどう会話を続ければいいのかを生徒たちに分からせる必要があると考えた結果、このレッスンを設けることにしたのである。教材作成にあってはALTが中心となって検討し、資料2に示すものができあがった。また、Giving
Directions というレッスンではPart T、Part UともにTT中心の授業で、ビデオ教材は用いなかった。それに代わって、京都市内の鉄道路線図や地図(資料3)を使って生徒同士で道案内をする活動をふんだんに取り入れた。このように、レッスンの特性に合わせて教材作成もいろいろと工夫を試みた。
4.テストと評価
4.1 評価の概要
OCは週2時間で、1時間は教室で文法授業、1時間はLL教室でティームティーチング(TT)を行っている。従って、2時間の授業を総合的に判断して評価しなければならない。年度当初に、評価の観点は次の4点であることを明示している。
1. Tests
2. Attendance
(present or absent)
3.
Participation (dead or alive)
4. Homework (学期中、休暇中)
4.2 テスト
評価の観点の中心となるテストに関しては、次のような配点であることも生徒にはあらかじめ通知している。
試験の配点
1学期 中間テスト:
G(50), TT & LL(50) ---- Listening Testを含む
期末テスト: G(50), TT & LL(50)
---- Listening Testを含む
2学期 中間テスト:
G(50), TT & LL(50) ---- Listening Test を含む
Speaking Test (50)
期末テスト: G(50), TT & LL(50)
---- Listening Test を含む
3学期 Speaking Test (50)
学年末テスト:G(50), TT & LL(50) ---- Listening Test を含む
定期テストのG(grammar)の部分は使用テキスト「エスト英文法」(エスト出版)から出題される。TT & LLの部分はPart T、Part Uで学習したすべての内容を範囲としている。昨年度までは、Speaking Testは3学期に1度だけ実施していたが、今年度は、2学期にも実施し、年2回とした。OCの授業で学習した表現の運用能力を見るためには、どうしても2回のSpeaking
Testが必要と判断したためである。第1回目のSpeaking Testについては次のような指示を出し、テストが円滑に進むように配慮した。
第1回Speaking Testについて
下記のように第1回speaking testを行います。しっかり準備してテストに臨んでくだ
さい。
9/21 (火) 1組、2組、4組の1番から20番までの人(残りの人は教室でgrammar
)
9/28 (火) 1組、2組、4組の21番から40番までの人(残りの人は教室でgrammar)
9/30 (木) 3組、5組の1番から20番までの人(残りの人は教室でgrammar)
10/7 (木) 3組、5組の21番から40番までの人(残りの人は教室でgrammar)
実施方法:
LL教室で順番を待つ。(静かに自習すること)テストはLL準備室で実施する。1人ずつ準備室に入り、ダナ先生と2分間英語で話す。1人が出たら、すぐ次の人が準備室に入ること。
[課題=話の内容] 自分が大切にしているもの(本、人形、マスコット、写真・・・・など何でもOK)を持参し、ダナ先生にそれについて英語で話す。ただし、1人でスピーチするのではなく、途中でダナ先生が質問またはコメントされるので、1学期に学習した"How
to Have a Conversation"の授業を特に復習しておくこと。
評価方法:
( 1 ) A:
Excellent
B: Good, but ...
C. OK, but
.....(slow, hard to understand)
D: Tried,
but....
E: No
effort
( 2 ) A = 50 A- = 46 B+ =
42 B = 38 B- = 34 C+ = 30
C = 26 C - = 22 D + =
18 D- = 10 E + = 6 E = 2
このspeaking testはFree Talk (or
Conversation) ではななく、準備をしっかりすれば、 高得点が可能です。また、1学期の初めからOCで学習してきた内容がどれくらい身に付いているかをみるためのものです。これまで学習してきた内容の復習も怠らないこと。
評価方法についてさらに詳しく説明すると、上記(2)の評価をALTとJTEのそれぞれがつける。一致していればその点数をその生徒の評価とし、両者の評価が違っている場合は、両者の点数の平均を評価とした。このようにSpeaking
Testと筆記試験を実施することで生徒の言語知識だけでなく、言語運用能力をもはかることが可能になる。なお、第2回Speaking Testについては、「日本に特有のものを1つ選び、英語で説明する」という課題を検討中である。
5. アンケートの分析
過去5年間のOCでも、学期毎にアンケートをとり、生徒の感想や意見を集約してきたが、今年度も同じ形式のアンケート調査を行った。(資料4参照)まず、1学期末のアンケート結果について、95年度(OC開発途上の2年目)、96年度(OCの完成年度)、98年度(OC5年目、リニューアル直前の年度)と99年度(リニューアル1年目の今年度)の結果を、4項目について比較してみよう。
グラフ1が示すように、99年度は「OCが楽しい」と答えた生徒の比率は55%に達しており、4つの年度で最高の値を示している。リニューアル直前の98年度の落ち込みが目立つが、リニューアルで急激に改善されたと言えるだろう。
グラフ2は、「OCがためになる」かどうかを聞いた結果であるが、4つの年度で多少差はあるものの、常に7割前後の生徒が「ためになる」と答えていることがわかる。
<グラフ1>
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グラフ3は、OCの難易度を問うた結果を示しているが、「むずかしい」と答えた生徒は4割で、これまでで最低になっている。他の年度では6割前後であったのを考えると、この結果は、リニューアルにより生徒にとって一層わかりやすい授業ができていることを示すものだろう。
<グラフ2>
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<グラフ3>
グラフ4は、OCの授業への参加態度を生徒に自己評価させた結果を示すものだが、99年度はこれまでで最も高い値(61%)になっている。リニューアルにより、生徒の意欲を引き出す授業ができていたとすれば、うれしい限りである。
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<グラフ4>
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<グラフ5>
次に、99年度の1学期と2学期のアンケート結果を比較してみよう。
グラフ5が示すように、「楽しい」と答えた生徒が減り、その分「普通」と答えた生徒が増えているが、これは、例年の傾向であるとともに、Speaking Testなどを実施したり、1学期よりも授業のレベルを上げたこと、さらに生徒がOCの授業に慣れたことなどが原因しているものと思われる。
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<グラフ6>
グラフ6から、「OCがためになるか」という質問に対する回答には、変化がないことがわかる。
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<グラフ7>
OCの難易度に関しては、グラフ7が示すように、2学期になって「むずかしい」と答えた生徒がさらに減っている。(37%) 生徒がOCに慣れたこともあるだろうが、わかりやすい授業が展開できているものと考えてよいだろう。
OCの参加態度については、グラフ8が示すように、2学期になって「がんばって参加した」と答えた生徒の割合がさらに増え、ほぼ7割の生徒がそのように答えている。
<グラフ8>
以上、アンケートの結果から、リニューアルしたことにより、少なくともこれまでのところ好結果が出ていると言えるだろう。
6.今後の課題
昨年までの20人サイズから、40人サイズの授業に変更したため、確かに、生徒達は毎週TTを経験できるようになり、コミュニケーション活動に参加する時間が増えた。しかしそれでもやはり解決できない問題や、新たな問題に我々は直面する。
まず第一に、20人から40人に増えたために、どうしても一人一人の生徒に対するcareが手薄になる。20人だと、ペアワークの様子も手に取るようにわかり、教師の目がよく届くが、40人だとそうはいかない。
第二に、いくら毎週とはいっても、週に1回のTTでは学習した内容がなかなか定着しない。以前に学習したことを忘れてしまっているために円滑なコミュニケーション活動ができないことがしばしばある。これは最も重要な問題と思われる。
第三に、生徒間の言語運用能力に大きな格差が見られる点である。授業で扱うtarget表現は初級レベルのものであるが、それでも難しいと感じている生徒がいることはアンケートからも明らかである。逆に、帰国子女をはじめとする、言語運用能力の高い生徒にとっては簡単な内容である。この生徒間格差にどう対処していけばいいかは今後の大きな課題である。
このように、リニューアルしたとはいえまだまだ課題は残っている。これからも、限られた時間の中でいかに効果的なOral Communicationの授業を実現できるかを引き続き考えていきたい。
7. 参考文献
橋本雅文. 1995. 「オーラル・コミュニケーション 初年度の取り組み ― ティーム・ティー
チングを中心に」『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第57号.
橋本雅文. 1996. 「オーラル・コミュニケーション 2年目の取り組み ― ティーム・ティー
チングを中心に」『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第59号.
橋本雅文. 1997. 「オーラル・コミュニケーション 3年間の取り組み ― ティーム・ティー
チングを中心に」『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第61号.
高田哲朗. 1995. 「オーラル・コミュニケーション 初年度の取り組み ― LL授業を中心に」
『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第57号.
高田哲朗. 1996. 「オーラル・コミュニケーション 2年目の取り組み ― LL授業を中心に」
『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第59号.
高田哲朗. 1997. 「オーラル・コミュニケーション 3年目の取り組み ― LL授業を中心に」
『京都教育大学附属高等学校研究紀要』第61号.
資料 4
オーラルコミュニケーションについてのアンケート 1999. 7月
( )組 ( )番 氏名( )
1. O C の授業について当てはまるものに◯をつけてください。
1)あ)楽しい い)普通 う)楽しくない
(理由)
2)あ)ためになる い)普通 う)ためにならない
(理由)
3)あ)むずかしい い)普通 う)やさしい
(理由)
2. O C の授業で1学期にやった内容について5段階で評価してください。
(5=とてもよかった、4=よかった、3=普通、 2=あまりよくなかった、 1=よくなかった)
1. Orientation for O. C. & LL診断テスト < >(理由)
2. Making Friends 1< >
(理由)
3. Making Friends 2< > (理由)
4. How to Have a Conversation < > (理由)
5. Making Suggestions & Preferences 1 < >(理由)
6. Making Suggestions & Preferences 2 < >(理由)
7. Giving Advice 1 < >
< > (理由)
8. Giving Advice 1 < > (理由)
6. Future Tense < > (理由)
3. OC の授業に望むことを自由に書いてください。
4. エスト英文法を用いた文法の授業について要望、意見を書いてください。
5.OCの授業にどのような態度で臨みましたか。
あ)よく頑張って参加した。 い)あまり参加できなかった。 う)出席しているだけだ。
Thank you very much.
オーラルコミュニケーションについてのアンケート 1999. 12月
( )組 ( )番 氏名( )
1. O C の授業について当てはまるものに◯をつけてください。
1)あ)楽しい い)普通 う)楽しくない
(理由)
2)あ)ためになる い)普通 う)ためにならない
(理由)
3)あ)むずかしい い)普通 う)やさしい
(理由)
2. O C の授業で2学期にやった内容について5段階で評価してください。
(5=とてもよかった、4=よかった、3=普通、2=あまりよくなかった、1=よくなかった)
1. Video〜Camping
in Canada〜 < >(理由)
2. Past Tense 1< > (理由)
3. Past Tense 2< > (理由)
4. Speaking Test < > (理由)
5. 英作文・ことわざ・名言など < >(理由)
6. Giving Directons 1〈train or bus)
< >(理由)
7. Giving Directions 2〈street〉 < >(理由)
8. Making Request 1 < > (理由)
9. Making Request 2 < > (理由)
10.Video〜 Christmas in Canada 〜 < >〈理由〉
3. OC の授業に望むことを自由に書いてください。
4. エスト英文法を用いた文法の授業について要望、意見を書いてください。
5.OCの授業にどのような態度で臨みましたか。
あ)よく頑張って参加した。い)あまり参加できなかった。う)出席しているだけだ。
Thank you very
much.
Have a great winter vacation!