iPodとインターネットラジオを活用した英語の学習と指導

 

                          京都教育大学附属高等学校 高田哲朗

1.                                      iPodとは?

 iPodとは、アップル・コンピュータハードディスク内蔵型携帯型音楽プレイヤーのことである。インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』でiPod”を引いてみると、次のように説明されている。

 

 20011023日に最初の製品が発表され、1117日に発売が始まった。携帯型音楽プレイヤーのメディアとしてそれまで主流だったフラッシュメモリーではなくハードディスクを採用し、大容量を生かした「手持ちの音楽を全部携帯する」というポータブルミュージックプレイヤーの新スタイルの牽引役となった。パソコンにインストールされたソフトiTunesで音楽ファイルを管理し、FireWireもしくはUSB2.0を介してiPodと接続するだけでデータを同期させることができる。それまでのMP3プレーヤーが抱えていた音楽の取り込み、保存、設定、接続、転送等の作業の煩わしさを極力簡単化した。

 iPodは当初、Macintoshのみでしか使用できなかったが、2002年にはWindowsとの接続に対応。20034月にはデザインの若干の変更により小型化されポケットサイズになる。また、USB2.0による接続にも対応した。

 

 このように、iPodは音楽リスナー用に開発されたものだが、ポケットサイズで、しかもその容量のずば抜けた大きさと、デジタル機器としての音の良さ、さらにはパソコンとの接続での相性の良さなどを考えて、きっと英語学習・英語指導にも活用できるのではないかと考えるようになった。

 

2.インターネットラジオとは?

 1994年は、日本におけるインターネット元年と言われるが、それから約10年が経過し、インターネットは日々進化を遂げてきた。インターネットは極めて多機能であるが、筆者は、とりわけインターネットラジオの存在を知るようになって以来、それなしでは過ごせない毎日を送るようになっている。再びウィキぺディアで「インターネットラジオ」を引いてみよう。

 

 「インターネットラジオ、単にネットラジオ、またはウェブラジオともいう。ラジオと称してはいるが、電波ではなくインターネットにより主として音声による放送である。ミニFM局よりさらに小規模の設備により個人規模で開局でき、また全世界あてに情報を発信できる。一般のラジオ局がインターネットラジオを運用することもある。 電波を使用しないので免許は不要で、誰でも実施することができる。放送の方式には、ダウンロード方式、オンデマンド方式、ストリーミング方式、P2P方式などがあり、使い勝手や著作権の課題からオンデマンド方式、ストリーミング方式が多い。

 1.  ダウンロード方式は、データを手元にダウンロード後に視聴するもので、MP3等の音声・音楽圧縮方式によって配信される。データは、高品質・短時間の特性がある。

 2.  オンデマンド方式は、利用者のリクエストによっていつでも聴取できる方式。

 3.  ストリーミング方式は、リアルタイムに細分されたデータを送ることで放送を聞きつづけることができる。データはリアルタイム処理、長時間の特性を持ち、回線が高速に接続されない場合、音声品質がかなり劣化する。

 4.  P2P方式は、ストリーミング方式の一種。高速なサーバ・回線を用意する必要が無いため、通常の配信に比べてコストが低く抑えられる。

 オンデマンド方式、ストリーミング方式の聴取には、Windows Media Player Real Player Winamp などのソフトを使用するのが一般的になっている。 (ほかにYamaha MidiRadio等)ストリーミング放送は、データがPC上に保存されないようになっている。」(下線筆者)

 

 上の説明にあるように、Windows Media PlayerReal Playerがパソコンにインストールしてさえあれば、世界中のインターネット・ラジオ番組をパソコンで聴くことができる。思い返せば、今から28年前、教師になった頃、BCL (broadcast listener) がブームになり、世界の放送局の流す短波放送を受信できるラジオが人気を集めていた。筆者も、短波ラジオを購入し、VOABBCABCなどを、受信可能な放送時間帯を探して夢中で聴いていた。しかし、短波放送で雑音の向こうから聞こえてくる英語は、ほとんど聞き取れず、BCLブームもあっという間に過ぎ去ってしまった。ところが、時は流れ、今ではVOABBCABC24時間いつでも好きなときに、クリアな音声で楽しむことができるのである。また、番組の中には、トランスクリプト(音声を文字化したもの)をホームページで公開してくれているものもある。聴き取れなかったところはそれを見れば、たちまち解決できるのである。本当に夢のような時代になったものだ。

 筆者はインターネットラジオなしで過ごせない日々を送っていると言った。これは決してオーバーな表現ではない。クラッシック音楽を心の栄養にしているものにとって、電波で流れてくるFMラジオ番組からクラッシック音楽が年々減少し、かろうじてNHKFMにだけ残っている状態は全く嘆かわしい。しかし、インターネットラジオには、選択に困るぐらい多くのクラッシック専門のFMラジオ局が全世界に存在するのだ。自宅のパソコンに向かっている時は、インターネットラジオから流れてくる音楽で、至福の時を過ごしながら仕事ができるようになったというわけなのだ。

 さて、ウィキペディアの「インターネットラジオ」の説明に戻ろう。下線を引いた部分に書いてあるように、インターネットラジオ番組は普通ストリーミング再生しながらを聴いているわけで、パソコンに音は保存されず、インターネットラジオを消すと同時に音も消えてしまう。英語のリスニング教材に最適だと思う放送番組も、そのままでは二度と聞くことができない。そこで、筆者が考えたことは、パソコンにカセットテープレコーダーを接続して、聴きながらテープに録音する方法だった。何度か試みたが、音質が必ずしもよくない点や、アナログ録音のため、せっかく録音しても後で利用するのが不便であるなどの問題点がどうしても気になり、数回でやめてしまった。

 

2.                                      携帯用音楽プレイヤー小史

 ここで、iPodに行き着くまでの携帯用音楽プレイヤーの歩みを概観しておこう。

 

2.1「ウォークマン」の時代 (1979年〜)

 1979年に、ソニーから初めてウォークマンが発売された。まさに、“Whenever and wherever you want to listen” が実現され、急に街にイヤフォンをした若者が目につくようになった。筆者は、最初違和感を覚えていたが、父がウォークマンで英会話を勉強しているのを見て、貸してもらって自分でも試してみたところ、ラジオの英語番組を録音して、通勤途上に聴くのにたいへん便利なことがわかり、購入することにした。以来約3年ごとに新しい機種に変更して現在まで使い続けている。以前使っていた二カ国語放送が受信できるラジオ付きで録音・再生の可能なウォークマンは、やや大きくて重いという欠点はあるもののとても気に入っていたが、残念ながら現在ではそのような機能のついたものは製造されていないようだ。

 

2.2「CDウォークマン」の時代(1984年〜)

 1984年から発売されたCDウォークマンは、録音はできないが、その頃LPからCDへの移行が進んでいたこともあり、手軽にCDが聴ける機器として人気を集めた。しかし、ウォークマンより大型であり、再生専用なので、筆者はほとんど使っていない。

 

2.3「MDウォークマン」の時代(1992年〜)

 カセットテープよりさらにコンパクトでしかもデジタルになったMDが使えるウォークマンは、CDウォークマンと異なり録音も可能になった。しかし、ラジオ付きのものは知らない。筆者は、ラジオ番組の予約録音は、カセットテープのウォークマンを使い続けているので、MDウォークマンは再生専用のものしか所有していないが、あまり使わないうちに次のiPodに移ってしまった。

 

2.4「iPod」の時代(2001年〜)

 21世紀の幕開けとともに登場したiPodは、まさにパソコンやインターネットに象徴される情報化時代の申し子のように思われる。200411月現在では、iPodは第4世代のものが発売されており、改良が進んでいる。今後はさらに進化して、音声だけではなく、映像を扱う機器、即ち電波を受信する携帯テレビに代わるインターネットテレビを、いつでもどこでも見ることのできる機器へと発展していくことだろう。

 

2.5 4種類の携帯機器の性能比較

 ここで、これまで取り上げた4種類の携帯型音楽プレイヤーの性能を比較してみたい。筆者が実際に使ってみた経験から、very good(◎)、good(○)、so-so(△)、not good or impossible(×)の4段階で評価してみた。

 

 

ウォークマン

CDウォークマン

MDウォークマン

iPod

方式

アナログ

デジタル

デジタル

デジタル

手軽さ・便利さ

音質

頭出し

×

容量

×

耐久性

×

重ね録音

×

ラジオ番組の録音

(電波ラジオ)

×

(Internet Radio)

ラジオ付き

×

×

×

生録音

×

 

 上の表を見れば、iPodがいかに優れた機器であるかが一目瞭然である。

 

3.                                      iPodを英語学習・指導に活用するために

 iPodを英語の学習や指導に活用するためには、次に示す図のように、様々な音源から、優れた教材を見つけて、いったんパソコンに録音し、それをiPodに入れる必要がある。そうしておけば、いつでも、どこでも好みのままにその録音を利用できるというわけだ。

                    

インターネットラジオ                                   Whenever & wherever you can

の英語放送番組                                              listen to varieties of English

                                                                 very clearly

インターネットサイト                            

の多様な英語音源        パソコン      iPod            Your          

                                   (iTune)                                  Ears     

オーディオCD付き

英語教材                                                               

 

 

3.1          インターネットラジオの英語放送番組を活用する

 インターネットラジオの英語番組を聴き始めて感じるのは、教科書や参考書などでは「お耳にかからない」、今世界で実際に使われている生の英語に触れることができるという点である。ニュースからコメディー、子供番組から科学番組まであらゆるジャンルの英語や、くだけた会話からフォーマルなスピーチに至るまでさまざまなスピーチレベルの英語が聴けるだけでなく、アメリカ英語やイギリス英語はもちろん、オーストラリア英語、カナダ英語、さらには英語の母語話者の英語だけでなく、第二言語や外国語として英語を話している人のなまりのある英語も聴くことができる。英語がまさにlingua francaであることを実感させてくれるのである。グローバリズムの時代の英語教育に、このようなインターネットラジオ番組を利用しない手はない。

 しかし、いくらおもしろく、かつ質の高い番組が放送されていても、それを英語学習に活用するには、聞き流しているだけではなく、録音して繰り返し聴くことがぜひとも必要である。そのためには、パソコンで番組を録音するためのソフトと、録音したものを整理し、管理するライブラリーの役割を果たすソフトが必要になる。筆者が自宅で使用しているパソコンはマッキントッシュのノートパソコンであるが、マックで使える録音用ソフトでフリーウェアやシェアウェアを探したが、容易には見つからなかった。多くの人に聞き、ようやく教えてもらったのが、Audio Hijackと言うシェアウェアである。インターネットで試用版を無料でダウンロードでき、10分以内なら正規版と同様の機能が使えるが、10分経過したとたん雑音が入って使用できなくなる。筆者は、このソフトの使いやすさを確認した上、$6 アメリカに送金して、正規版を使用する権利を得た。このソフトを使えば、Windows Media PlayerReal Playerなどでインターネットラジオの英語番組をストリーミング再生しながら、簡単に録音できるようになった。録音が終わると、マックのパソコンのデスクトップ上にアイコンができている。これは、AIFF形式で録音されたファイルが出来上がっていることを意味する。

 次は、録音を管理するソフト iTuneの出番である。このソフトはマックのパソコンにプリインストールされているもので、とても勝れ物のソフトである。iTune経由で、直接数多くの様々なジャンルのインターネットラジオ番組にアクセスすることができ、さらにインターネットサイトが公開している映像(たとえば、アメリカの新作映画の予告編など)も見ることができるのである。今回は音声のみを扱っているので、話を音声に戻そう。できあがったAIFF形式のファイルをドラッグ&ドロップでiTuneのライブラリーに移動させると後は自動的にライブラリーに追加してくれる。ライブラリーには、録音名(曲名欄に表示される)、録音時間、アーチスト名、アルバム名、ジャンル、最後に再生した日時などの情報が記録されるようになっている。録音が正しくできたかどうかを確かめたい時は、iTuneの再生ボタンを押せば聞くことができる。

 

3.2          インターネットサイトの多様な英語音源を活用する

 インターネットサイトには、アーカイブとして多様な英語音源を用意してくれているものが多くある。これらはもちろん無料で利用することができる。歴史に残る名演説や、講演会、ディベイト、科学番組などの音源を利用することができる。しかも、それらの中には、トランスクリプトを公開しているものも多い。これらの音源も、3.1で紹介したのと全く同じ手順で、iTuneのライブラリーに追加することができる。

 

3.3          オーディオCD付き英語教材の活用

 国語教育の分野で「声に出して読みたい日本語」(齋藤孝著)がベストセラーになるなど、音読が注目されているが、英語教育の分野でも、音読がブームになってさえいる。それに伴って、音声CD付きの音読用図書が多数出版されている。また、CD付きの英語雑誌も、以前から数種類毎月出版されている。これらの音源はiTuneのライブラリーに簡単に取り込むことができる。パソコンのCDROMドライブにCDを装着し、iTuneの読み込みボタンを押すだけでよいのである。CDに書き込まれた録音名、録音時間、アーチスト名、アルバム名、ジャンルなどの情報も同時に読み込んでくれるのでとても便利である。CDの中には、それらの情報が入っていないものがあるが、その場合は読み込みが終わった後で、多少手間ではあるが手入力することができる。

 

3.4          iTuneからiPod

 iTuneのライブラリーに英語音源から音声ファイルの取り込みが完了したら、いよいよiPodFireWireまたはUSB2.0でパソコンに接続する。接続したらすぐにiTuneの新しいライブラリーがiPodへ取り込まれる。即ち、あっという間に自動更新されるわけだ。筆者の使用しているiPodは、20GBのものであるが、重さ158g、厚さ14.5mm、幅60.9mm高さ104.1mmという胸ポケットに入るサイズにもかかわらず、カタログによると5000曲以上を保存できるとのことである。他にも、40GBのものや、4GBiPod miniが発売されている。

 

4.                                      iPodを活用したリスニング力強化法

 

4.1          インターネットサイト・インターネットラジオ番組の活用

 無限に広がるインターネットサイトの中から、真に有益なサイトを探すのはむずかしいものだが、見つかったときはそれだけにうれしいものである。人の出会いにも似て、偶然のきっかけで知るようになったものも多い。これまでアクセスして役に立ったものの中から、良質のリスニング教材を提供してくれるものをいくつか紹介しよう。

○リスニング教材ソース

「スペースアルク」(http://www.alc.co.jp)

VOA Special English(http://www.voanews.com/specialenglish/index.cfm)

「週刊STオンライン」(http://www.japantimes.co.jp/shukan-st)

 以上のサイトは、リスニングだけではなく、英語指導全般の教材ソースとしても利用できる。

English Language Listening Lab Online(http://www.elllo.org)

 これは、Listening専用のサイト。

○自己研修として純粋にリスニング力を強化するのに有益なサイト

 <歴史的な演説を聞くなら>

「外国語広場」(http://www.gaikoku.info/english/president.htm)

History Channel.com(http://www.historychannel.com/speeches/speeches.html)

 <ニュースを聞くなら>

BBC Radio Homepage(http://www.bbc.co.uk/radio)

ABC News Online(http://www.abc.net.au/news)

PBS(http://www.pbs.org)

 <科学的な番組を聞くなら>

Discovery.Com(http://www.discovery.com)

NASA(http://www.nasa.gov/home/index.html)

 

 クラシック音楽の英語による曲目解説や演奏評は、BBC Radio 3にアーカイブも含めて多数用意されている。好きな音楽とともに英語の解説を聞くのは楽しいものである。

 このように、自分の好きな分野やジャンルで、24時間英語をシャワーのように浴びることができるようになった。自分の家に居ながら、英語環境の中に身をおくことが可能になったのである。しかし、問題は時間である。ゆっくり英語のシャワーを浴びていられる時間を過ごすのは、普段の生活の中ではほとんど無理である。そこで、これらの番組を折に触れてAudio Hijackで録音しておき、iTune経由でiPodに入れておけば、通勤時間を使ってリスニング力強化をめざしていつでも聞くことができるのである。これを始めてからは、片道約1時間半かかる通勤も全く苦にならなくなったばかりか、毎日さまざまな英語を聴くことが楽しみにさえなった。満員電車の中でも、テープやMDを入れ替えることなく、指一本の操作で様々な英語の音声を聞けるのはiPodの魅力である。

 

4.2          CD付き教材の活用

 書店には、CD付きの英語教材が氾濫している。それらの中から興味を引くものを買い求め、とにかくiTune経由でiPodに入れる。iPodは容量が大きいので、いくらでも入れられるという感じである。現在までに曲数にして1800曲以上入れているが、まだ4GB程度しか使っていないのである。それにしても20GBあるのはありがたい。なお、筆者がiPodに入れているCD付き教材(教科書や受験用問題集のCDを除く)を、参考文献の後の「iPodで使えるCD付き教材リスト」で多数紹介している。

 

5.                                      iPodを活用した英語指導

 

5.1          インターネットサイト・インターネットラジオ番組を活用したリスニング教材の作成法

 インターネットサイト・インターネットラジオ番組を活用して、教科書や参考書などにはないリスニングやリーディングの教材を簡単に作成することができる。それには、トランスクリプトの手に入るものを利用するのが便利である。また、語注や内容解説をつけてくれているサイトもあるので、それらを利用すると手軽によい教材を作ることが可能である。これまでに筆者が作成した教材の中から、2つ紹介しよう。

 

5.1.1 VOA Special English番組からの教材

 VOA Special English番組の中のScience Reportの中から、2004年の話題を紹介している番組の最初の部分を用いて教材化してみた。これを聴かせる前に、スマトラ沖地震に関するパートから、下線部が答えとなるような次のような質問を与えておき、iPodで教材を聞かせた後で、下のようなトランスクリプトを配布して、答えを確認するという教材である。今回は、和問和答の問題にしたが、もちろん英問英答にしてもよいだろう。

 

Questions:

 1. 「津波」は、英語でどのように説明されていますか。

 2. 「津波」の原因が3つあげられています。それらは何ですか。

 3. 「津波」はどれくらいの速さと高さで押し寄せることがあると言っていますか。

 4.  日本では、過去数百年間にどれくらいの人が「津波」の犠牲になっていますか。

 5.  スマトラ沖地震の規模は、マグニチュードでどれくらいですか。

 

<教材例1>

The Major Science Stories of 2004           Broadcast: December 28, 04 

                           VOA Special English Program

(MUSIC)

 

VOICE ONE:

This is Science in the News, in VOA Special English. I'm Faith Lapidus.

VOICE TWO:

And I'm Bob Doughty. This week, we look back at the major science stories of two-thousand-four. We look at safety questions about some popular medicines and struggles against SARS, bird flu and other diseases.

VOICE ONE:

We also tell about the bones of small human-like creatures found in Indonesia. But first, a look at the powerful tsunami Sunday that killed tens of thousands of people.

(MUSIC)

VOICE ONE:

People in many countries are recovering from the effects of a powerful earthquake Sunday in the Indian Ocean. The underwater earthquake created huge waves that struck coastal areas from Indonesia to Somalia. The earthquake caused 1) a series of huge, destructive ocean waves, also called a tsunami.

In the Japanese language, the word tsunami means harbor wave.  2) Earthquakes are a major cause of tsunamis. But landslides on the ocean floor also can cause huge ocean waves. Other causes are exploding volcanoes and even explosions.

Experts say 3) a tsunami can travel as fast as seven hundred twenty five kilometers an hour. And, the waves can be more than thirty meters high as they move toward land.

VOICE TWO:

Tsunamis can form near the center of an earthquake and travel out in all directions. This means they can affect countries thousands of kilometers from each other.Tsunamis are most common in the Pacific Ocean. Japan has had the most tsunamis.  4) In the past hundreds of years, one hundred thousand people have been killed by tsunamis in Japan. Six years ago, more than two thousand people died when a tsunami struck Papua

 New Guinea.    

American scientists say 5) the earthquake in the Indian Ocean Sunday reached nine-point-zero on the Richter system of earthquake measurement. They say it also was the fifth strongest earthquake measured since nineteen-hundred.

(MUSIC)

5.1.2          週刊ST のサイトからの教材

 次の教材は、週刊ST のサイトにあるST Opinionから作成したものである。5.1.1のVOAの教材と同じく、聞かせる前にpre-questionsを与える。iPodで音声を聞かせた後、それらの質問の答えをチェックし、1枚目のトランスクリプト用紙を配布する。続いて2枚目の語注の用紙を配布し、空所の意味を文脈から推測させる活動を行う。このような流れで行なう教材である。

Questions:

1. What does the writer say about Japanese men?

2. What made the foreign woman find out the true feeling of the Japanese man?

3. What’s the writer’s advice to Japanese men?

 

 

 

<教材例2>

A friend in need is a friend indeed             Shukan ST: Nov. 12, 2004

 

                   By Caroline Pover

 

http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/audio/op20041112s.rm

 

I recently heard about a successful relationship that started at one of our singles' nights for foreign women and Japanese men. This may be our first "love story" and we hope there will be many more in the future!

 

 A foreign woman and a Japanese man attended one of our singles' nights and exchanged contact information during the party. They spent some time together over the following weeks, but the foreign woman didn't sense any romantic "vibes" coming from the man, so she wasn't quite sure how interested he really was.

 

 As I have discussed in previous columns in Shukan ST, 1) Japanese men can often be rather reserved in showing any romantic feelings toward a foreign woman they are interested in. This can be for a number of reasons. So for a foreign woman it can be quite confusing to work out whether a Japanese man is interested in her or not.

 

 Unfortunately 2) the foreign woman became quite sick soon after they became friends, but the Japanese man took great care of her. The foreign woman was very touched by his attention and concern.

 

 Eventually it became clear that the Japanese man did indeed find her very attractive, and was interested in having a serious relationship with her. So they started dating and have spent the last few months in a very happy relationship!

 

 This story is interesting because neither of the people were very "forward" in expressing their feelings, but instead took time to get to know each other. I wonder if the Japanese man wanted to be more forward about his feelings but didn't know how until an opportunity arose for him to show that he cared about her very much.

 

 When that opportunity came, i.e., when the woman became sick, he showed her how caring and thoughtful he could be - a very important thing to know in a relationship. He showed her that she could rely on him to support and care for her, especially when she was having a hard time, and isn't that when we need people the most?

 

 So my advice to Japanese men who are still feeling too shy to show their true feelings about a woman they are interested in is 3) to look for opportunities to show her your kind, gentle and thoughtful side. Of course, you don't need to wait until someone is very sick to do that! You can show them in little ways - by listening to their worries and responding by trying to help.

 

 Women of today, and especially foreign women, who can often appear as though they have everything in their lives under control, really appreciate those kind, thoughtful gestures.

 

 

思いやりを態度で示して

 

日本の男性諸氏へ。

 現代の女性、特に外国人女性は、 ひとりでしっかり生きているように見えても、 困ったときや辛いときに 男性に思いやりを示されると 本当にありがたく思うものなのです。

 

Words & Phrases:

singles' nights  (        )

contact information  (      )

sense   〜を感じ取る

vibes  (       )

be rather reserved  かなり控え目である

it can be quite confusing  とても混乱させられることがある

work out  (       )

whether is interested in her or not  〜が自分に興味があるのかないのか

(was) touched by   (        )

attention  思いやり

concern  気遣い

Eventually  結局

it became clear that   〜だということが分かった

serious relationship  真剣なお付き合い

neither of the people were   2人とも( 〜でなかった)

forward  (       )

took time to   時間をかけて〜した

didn't know how  どうしていいか分からなかった

until an opportunity arose  機会が訪れるまで

cared about   〜に好意を持っている

i.e.  つまり

could rely on to   〜が〜することを当てにできる

when she was having a hard time  辛いとき

(are) feeling too shy to   内気でどうしても〜できない

in little ways  ちょっとしたことで

worries  心配事

appear as though   〜のように見える

have under control   〜をきちんと取り仕切っている

appreciate  感謝する

gestures  行為

 

 Keys: あ)〜に感激した  い)見抜く う)出会いを求めて独身の男女が集うパーティー

    え)連絡先  お)雰囲気  か)積極的な

 

5.2          iPodを活用した英語授業

 iPodにトランスミッターを取り付けると、iPodに録音された音を電波で飛ばし、FMラジオで聞くことができるようになる。これを使えば、教室にFMラジオ(または、ラジカセ)を持ち込めば、iPodを使って授業ができるようになる。

 

5.2.1          教科書プラスαのリスニング、リーディング活動

 教科書付属のCDiPodに入れておけば、あとはFMが聞けるラジオを用意すれば、重いCDラジカセやテープレコーダーを持っていかなくても、教室で教科書の音声を聞かせることができる。学年の初めに、教科書1冊分のCDiPodに入れておけば、1年間自由に使える。これまで、数枚に分かれていたCD、またはそれをダビングした数枚のMDを、一括してiPodで管理できる。たとえば、3学期に1、2学期に学習したレッスンの中から適当なパートをを選んで、復習として聞かせることもできる。なお、デジタル機器なので、ランダムアクセスが可能であり、実際に教室で使う際の操作性はすこぶるよい。

 また、iPodはリスニングやリーディングの投げ込み教材を使うのにも役に立つ。5.1で紹介したような教材を多数作っておけば、適当な時期に投げ込み教材として利用できる。生徒はそれらの教材に、教科書にはない新鮮な魅力をきっと見いだしてくれることだろう。

 

5.2.2          授業の5分間英語のシャワータイム

 iPodの容量の大きさを活用して、多様な英語を大量に入れておけば、たとえば、毎時間5分程度を使って「英語シャワータイム」と称して、英語の音に触れさせるような指導が可能になる。「リスニングこそは慣れがものを言う」

と言われるが、継続的に英語を聞かせることは、リスニング力の基礎作りをするのに役立つものと思われる。

 

6.                                      おわりに

 iPodを購入して3ヶ月余り経つが、iPodを活用した英語の自己研修や指導は始めたばかりである。これからも活用方法を研究して、来年度から研修だけではなく、授業でも大いに活用したいと考えている。また、インターネットサイトやインターネットラジオの探検を続けて、自己研修用や教材ソースとして、よりよいものを探し続けるつもりである。

 最後に、ストリーミング再生されている音声を録音するソフトで、マック用のものを探し求めていたとき、親切に紹介していただいたZ会出版営業部の山本英次様に、心からお礼を申し上げて拙稿を閉じたいと思う。

 

参考文献:

岩村圭南 (1995) 『インターネットで英語学習』アルク

朝尾幸次郎・斉藤典明 (1996) 『インターネットと英語教育』大修館書店

山内豊 (1997) 『インターネット英語の速読速解』創育

ブレント・クック (1997) 『生きた英語を身につけるためのインターネット活用術』テイエス

 企画

杉本卓・朝尾幸次郎 (2002)『インターネットを活かした英語教育』大修館書店

野口悠紀雄 (2004) 『超英語法』講談社

高田哲朗 (2005) iPodを活用した英語学習・英語指導」英語教育達人セミナー in Kyoto配布  

 資料

 

 

 

iPodで使えるCD付き教材リスト:

平井正穂 (1990) 『イギリス名詩選』岩波書店

湯川れい子 (1993) 『やさしく歌える英語のうた1、2』日本放送出版協会

森田勝之 (1997)『ニュース英語のリスニング』DHC

グレッグ・アーウィン (1998) 『英語で歌う日本のうた』ジャパンタイムズ

ロス・典子/モーリス・タック (1999) 『ネイティブの感覚で前置詞が使える』ベレ出版

D.P.ダッチャー訳 (1999) 『金子みすゞ童謡集 Something NiceJULA出版局

篠田顕子ほか (2000) 『英語リスニング・クリニック』研究社

ポール・ゴードリン (2000) 『世界最高の英語教材で学ぶ本』メディアワークス

松本茂監修 (2000) 『速読速聴・英単語 Advanced 1000』増進会出版社

國弘正雄編 (2000) 『英会話・ぜったい・音読』講談社

國弘正雄編 (2001) 『英会話・ぜったい・音読』(挑戦編) 講談社

Carolyn Graham (2001) Jazz Chants OLD AND NEW Oxford University Press

千田潤一監修 (2002) TOEIC friends.net English Training Book』国際コミュニケーションズ

安井京子 (2002) 『音読して楽しみ名作英文』はまの出版

津吉襄 (2002) 『最強の英文リーディング』アルク

Chart Institute (2001)Reflections on the Twentieth Century』数研出版

数研出版編集部 (2003)COSMOVIEWS』数研出版

藤井哲郎/マイケル・プロンコ (2003) 『一流の朗読で聴く名文』(「型」を学ぶ) マクミラン  

 ランゲージハウス

藤井哲郎/マイケル・プロンコ (2003) 『一流の朗読で聴く名文』(「智」を求める) マクミラ

 ンランゲージハウス

近江誠 (2003) 『感動する英語!』文芸春秋

林功 (2003) 『アメリカの中学教科書で英語を学ぶ』ベレ出版

Christian Storms (2003)Eye on the World 2003』中央図書

斎藤兆史 (2004) 『英語達人読本』中央公論社

その他、雑誌として、『English Journal』アルク、 『CNN English Express』朝日出版社、  

 『English Zone』中経出版などを利用している。

 

 

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